[m] べ、べつにこの本が面白いってわけじゃないんだから勘違いしないでよね2009 マンガ編 10冊
ほんとは2009年中にやりたかったんだけど無理だったけどいまさらやります、テツヲ君の2009年「べ、べつにこの本が面白いってわけじゃないんだからね」シリーズ! 「これが凄い!」とか「これを読め!」とか言い切れずにツンデレに徹するあたり俺のヘタレ具合がしっかり活きててセカ徒歩らしいよね。そして2009とかついてるけど発売日が2008年だったりするのも混じってます。要はブログ始めたあたりからの1年ちょいのまとめだと思っていただければ。

それではまずはテツヲ君の2009年べ、べつにこの本が面白いってわけじゃないんだからね勘違いしないでよねマンガ編10冊いってみまーす! 順序は結構適当なので気にしないよう!






ぢごぷり / 木尾 士目

ぢごぷりとは地獄プリンセスの略。「げんしけんの人が今度はほんわか育児マンガ」とか「スジやおっぱいが合法的に見れるよ!」みたいに一部ネットで話題になってたみたいだけど、実際読んだらぜんぜんそんなことはなくてびっくりした。いや、スジやおっぱいはあったけど、誰だよほんわかとか言ってた奴。

露骨に萌えキャラとして描かれてる双子(特に妹)が妙にリアルに描かれてる赤ちゃんを生んだので育てるっていう育児モノなんだけど、読み進めても存在するはずの父親がなかなか出てこない。父親のフォローもなく、家族のフォローもなく、双子だけで育児をしなければならない中で少しずつ壊れていくお母さん(姉のほうね)がゾワッとする、ほんと、みんなもゾワッとするといい。この先どういった展開になるのかはわからないけど、どんな展開になるにしてもこの1巻は読んでおいて損はないと思うのです。







うさぎドロップ / 宇仁田 ゆみ

なぜか2冊連続で育児モノ。30歳の営業系男子がいきなり6歳の女の子、しかも祖父の子(!)を引き取ることになってーといった感じで始まるドタバタ育児のお話で、↑のぢごぷりと比べると悲壮感とか病んでいく感じとかは全然なく6歳の女の子は複雑な家庭ながらもすくすくと育っていきます。
個人的には、独身男性が奥さんナシで女の子を育てるっていうパターンだと「嫁とは死別(出産時だとなおアリ)」「少しずつ死んだ嫁に似てくる娘」「高校に入ったあたりから適当な男を部屋に連れ込んだり家に帰ってこなくなったりする娘」「それでもなんとか娘は結婚し、バージンロードで嫁のことも含めて思い出して号泣」「次の日から何のために生きればいいのかわからなくなる」という救われなさ6割ぐらいの物語を想像してしまったりするけど、そんな話でもないのでご安心。

というより、この物語は5巻以降の第二部(6巻はまだ未読!)が真骨頂だと思います。第二部では6歳だった女の子が女子高生になっていて、その複雑な家庭で育った故にちょこっと達観しちゃったクールビューティになってるんだけど、幼なじみとのよくわからない湿度のある関係とか、幼い頃の話を全部見てきてる読者はドキドキさせられちゃうんじゃないかなー。






それでも町は廻っている / 石黒 正数

寂れた商店街の寂れたメイド喫茶を舞台に日常を描くギャグ物語なんだけど、なんでこんなに面白く感じてしまうのかが凄いフシギ。特にヒロインの歩鳥はバカなんだけどよくあるバカなキャラでに終始してなくて、ミステリーかぶれしたバカっていうのが本当にいいキャラを出してる。作品全体の中にもバカミスっぽい空気が溢れてるのもすごくいい味。決してゆるいだけの日常じゃない、これ以上あんまり有名になってほしくないなあとすら思ってしまう良作です。

同じ作家の「ネムルバカ」っていう1巻完結のお話も読んでしかるべき。「駄サイクル」って造語にはクリエイターになりたいです><なんて言ってる俺みたいな人にはグサッとくるけどね!






もやしもん / 石川 雅之

もうすでにオリゼーのかわいさで有名になりすぎてるのと、最近菌が見える設定がそんなに活かせてない気もしなくもないですが、それでもわたしはおすすめしたいのです。特に最新刊の8巻。8巻では地ビールとドイツのビール祭のお話なんだけど、これ読んでると本当にビールが飲みたくなります、これはヤバイ。10月にみなとみらいでオクトーバーフェストがあったのだけど、これ読んだせいでものそい行きたくなって行ってしまいました。本場ドイツのオクトーバフェストはビールとおっぱいがものそいらしいです。






ピコピコ少年 / 押切 蓮介

ファミコンとかゲームセンターにまつわる筆者の体験談…なのだろうかこれは。
年代的には俺と5つくらいずれてるのだけど、ファミコンとかゲームボーイとか、ゲーム少年だった人なら「うへえ…でも、あるある」とか楽しめるはず。ファミコンにはまったせいで初恋とさよならする話とか、小学生男子っぽくて好きだ。ていうか小学生男子ってすごいよね、センスの塊だよね。
小学1年生の頃にずっとスーパーマリオブラザーズの8-2にあるものすごく長い落とし穴のところを越えることができなくて、友だちと3人で頑張ってたらついに飛び越えることができて、未踏の8-3に初チャレンジで、でもそんな簡単に死んでゲームオーバーになったら洒落にならないから俺が急いで自分の家まで攻略本を取りにいったら、その間にその2人が勝手に挑戦してて俺が戻ったときには既にタイトル画面だった思い出があります。いま考えても殴りたいぐらいいい思い出ですね。

この人の描く女の子には言葉で説明しづらい幼い異様なエロさがあってなんかいいんだよね、うまい絵ってわけではないはずなのに。






ムダヅモ無き改革 / 大和田 秀樹

こいつはヤバイぜ(政治的な意味で)(国際的な意味でも)。
大魔法峠のような濃い皮肉パロディマンガを描いてた氏が今度は麻雀でやっちゃいました。基本的には何も考えずに笑いながら読むマンガですが、政治的なバックグラウンドがわかるとなお笑える。この人の表現力は本当やばくて、すべての牌を無理やり削って白牌にして和了ったときには見開きどころかまさかの4ページフル見開き(!)での天地創世(ビギニングオブザコスモス)とか、ただのダブロンに対して十字架をモチーフにした鉄十字砲火(バルケンクロイツ)の演出は天才の仕業だと思えない、一見の価値アリ。ググれば出てくるはずです。

2月26日にOVAも出るようなので要ちぇきっとです。二二六事件に合わせてるのが悪趣味でいいよね。






変ゼミ / TAGRO

わあ、変態さんがいる。

帯に西尾維新が「変態しかいない」と書いてたのでつい買っちゃったのですが、看板に偽りなしでした。スカトロ、言葉責め、寝取られ、そんなのはまだかわいくて口にもしたくないマニアックな趣味嗜好などなどへたなエロマンガよりもエロいってーか変態で、キャラがかわいいゆえに余計にグロくてひどい。前知識なしに友人の家にこんな本があったら引くかもしれないそんな本です。それゆえに我が家ではお店でつけてもらったブックカバーをつけっぱなしにしてるのですが、ブックカバーがついてると余計に好奇心をそそるようで友人が勝手にこの本なにー?と開けてしまうので困ります。こら、開けちゃだめだってば!






ワンナウツ / 甲斐谷 忍

賭け野球ワンナウトで無敗を誇った渡久地がその戦いのフィールドをプロ野球に移し弱小チームを導いて優勝を目指す熱血野球物語…のはずなのだけど。ひとことで「カイジ賭博野球編」って言えばみんな納得してくれるぐらいそんな感じです。同じ作者のライアーゲームももちろん面白いけど、野球のルールがわかる人ならあれを読む前に絶対これを読んで欲しい、まじ。

前半は敵チームを策で打ち破り、後半では球団のオーナーとなりマネーゲームを演じたり球界の闇みたいなそんなもんと戦うっていうのはそうくるのかよー頭いいなーって思うと同時に思わず熱くなる。去年にはオールスター戦の特別編もコミックス化されたので、この機会に是非。






百舌谷さん逆上する / 篠房 六郎

ツンデレなんてものはただの発達障害だろうと提唱し続けてきた俺が出会ってしまったのがこのマンガの「ヨーゼフ・ツンデレ博士型双極性パーソナリティ障害」。主人公の百舌谷さんはこの病気に疾患していて、他人に素直な気持ちを伝えようとするとツン状態になってしまいうまく伝えられない。そこにちょうどよくドMっぽい男の子が現れて〜という基本ラブコメです。これはツンデレというよりただのドSだよなあとポテチ片手に読みながら思ってます。台詞回しも毒が効いてて、ピュっと吹くジャガーの高菜さんの「おめえ洗ってない犬の匂いがすんだよ」ってのを思い出した。すっごい余談だけど、俺ネカマやってるときに「脚舐める前にその排水溝舐めてキレイにしろよ」って言えたのはこの本のおかげかもしれない。






とある科学の超電磁砲 / 鎌池和馬×冬川基

最後はアニメも放送中でいま旬のとあるレールガンで締め。ミーハーっていうなあ〜。

脇役なんだけど、無能力者でデキない子で、だけどすごいいい子で、それでもやっぱりかわいそうな子の佐天さんの存在感がまず凄くてもう佐天さん大好き。アニメでもやってたレベルアッパー編ではそんな佐天さんが無能力ゆえのコンプレックスに囚われて絡みとられてばたんきゅーって大変なことになっちゃって、主人公である御坂さんの戦いよりも佐天さんの不憫さと健気さのほうが印象強くてもう佐天さん大好き。
かと思えば4巻からの妹達編では御坂おねえさま自身が大変なことになって今度は御坂さん大好きになって目が離せません。
[2010.01.12 01:37] | [m]emo  |  TOP↑