[m] 夏も終わりかけだけど俺が集めた怪談コピペを貼るよ「せかとほひゃくものがたり」 41~60譚
なかなか興味深い話が見つからなかったので一ヶ月ほど空いてしまいました、せかとほ百物語。今回はよくわからない不思議な話を主に集めてみました。それにしてもコピペを集めるって簡単だと思いきや、意外と大変ですこれ。次は冬ぐらいになってしまいそう。ひゃくものがたりが終わったら次は鬱コピペを100個集めてみようかな…!! セカ徒歩らしいよね!!



[目次] すぐそこにある怪異
あやつられる認知
今週の目玉




41. イリヤの空


同じ画像なりマークなりを
毎日見せることによって、
それがあっても、
それが目に付いてもおかしくない、
不自然ではない状態にすることは
洗脳の第一歩だよ。

仮に君の部屋の壁紙に
普通では視認できないメッセージが刷り込まれていたらどうする?
連日連夜、気づかれないように少しずつ少しずつメッセージを刷り込んでいくんだ。
時々、突然気分が悪くなったり、めまいがしたことはないか?
金縛りにあったことは?
お昼ごはんを食べたのを忘れたことは?
大きな都市が丸ごと停電する夢を見た経験は?
球形プラズマ、蜃気楼、観測気球、写真に撮るとしたらどれ?
マンテル
チャイルズ・ウィッティド
その次は?
『アルミホイルで包まれた心臓は六角電波の影響を受けない』というフレーズ知ってる?
螺旋アダムスキー脊髄受信体って言葉に聞き覚えはある?
さっきからずっと
あなたの後ろにいるのは誰?



42. アイデンティティ


家に姿見のような大きめの鏡がある方は一度試して貰いたい
鏡に映った自分を見ながら 『 お前は誰だ 』 と言ってみてください
いえ、お化けとか幽霊だとかそういう類のモノでは無いんです
鏡に映った自分の眼を見ながら 『 お前は誰だ 』 と言ってみてください

何か不安感というか、奇妙な感覚に囚われるかと思います


大戦中 ナチスがユダヤ人に行なった実験に
人格をコントロールするという名目で
一日数回 被験者を鏡の前に立たせて、鏡の向こうの自分に話し掛けさせ
(例えば『お前は誰だ』とか言わせ)精神の変化を観察記録していったそうな。
実験開始後
10日間経過したころには異変がみられ始めた。
判断力が鈍り
物事が正確に把握できなくなり、
そして3ヶ月経った頃にはすっかり自我崩壊し
「自分が誰だか分からなく」なって 狂ってしまった。


…というのを以前軍板で見たんですが

当事、好奇心旺盛だった友人(以下 )と僕は
「ウソくせー 試しにやってみようぜ」という事になった


その日、自宅の姿見の自分に向かって「お前は〜  とやってみた
夜中、閉めきった部屋だったので不気味極まりないのですが
テンション上がってたので怖くは無かったです
しかしすぐに 気分が悪くなり 吐き気を催し
(僕の顔がキモかったからでは無いです)
やっぱヤバいなと思って私はやめた。

次の日
友人Aに 怖くてちょっとしか出来なかった旨を言うと
「うわ、ダッセー あんなもん怖くもなんもねぇよ」と小馬鹿にされました。
そして二人の間でこの話題はここで終わったのです。

しばらく経って鏡の話など忘れてしまった頃、
Aがしばしば学校を休むようになった。
登校している時に 何かあったのかと聞いてみたが
「ん… 何でもない」と、どこか上の空のような感じでした

それから数日後
夜中 急にAから電話がかかってきた。そして受話するや否やいきなりAが

『俺って オレだよな? 俺って、相田XXX(Aの本名) だよな?』 と変な事を聞いてきた
『な?な?』って 今にも泣きそうな声で聞いてきた

僕が「何おかしな事言ってんだよ、お前は相田XXXだろ」と答えてやると
『そっか…そう だよな。』と
Aは少し落ち着いた様子でこう続けた
『実はさ、あの後も 何度か鏡に向かってやってたんだ。いや、別にナルシストなわけじゃないんだけども鏡の自分に話し掛けてると不思議と気分が良かったんだ』
『何かどんどん自分が自分じゃ無くなっていく感覚が気持ちいいんだ』


おいおいヤバいだろそれは…
私はすぐに止めるようにAに言ったのですが、
『いいんだ、 いや、大丈夫だから、これでいいんだ だいじょうぶ、いや コレで良いんだ』と
壊れたオーディオみたいに繰り返し、私が「おい!」と言った瞬間電話を切ってしまった。

心配になってもう一度電話をかけてみたがなかなか出ない。
12回コールしたところでやっと出たAは一言こう言った。

  『 お前… 誰だ? 』

すぐに断線し それから二度と電話は繋がらなかった。
そしてAは全く学校に姿を見せなくなった

後日
全く連絡のつかないのを不安に思ったAの親がAの下宿先に行ったんだが
Aの奴 すっかり頭が狂ってて、親の顔も認識できなくなってて
唖然とする両親を尻目に
ヘラヘラ笑いながら洗面所の鏡に向かって
ずっと話し掛けてたそうな

勿論、鏡に映った自分とである。

その後Aは実家に連れ戻され地方の病院に入院したので
詳しいことは分かりませんが
人づてに聞いた話によると 今では精神状態も大分良くなったそうな
ただ、Aの病室には自分が映る鏡や鏡面の金属製の物は一切置いてないのだと


私もまさか、短時間であんなにおかしくなるのとは思わなかったんですが

件の鏡の実験には続きがあって
ある被験者を普通の鏡だけでなく合わせ鏡で行なったところ、
通常の倍の速度で精神に変調が見られたそうだ。

そう、Aの洗面所の鏡は三面鏡だったんです


家に姿見のような大きめの鏡がある方は一度試して貰いたい
鏡に映った自分の眼を見ながら 『 お前は誰だ 』 と言ってみてください
何か不安感というか、奇妙な感覚に囚われるかと思います。
暗示にかかりやすい人は お手軽かつ、簡単に狂うことができるので
絶対に継続してやらないで下さいね。

最近顔を洗って鏡を見たら知らない女が映ってて驚いたが、
よく見たら自分の顔だったって事が良くあるんです。

 私って私ですよね?



43. 360°


僕はその夜心霊番組を見た後に風呂に入った。
ああいった類の番組は好きだが尾を引く。
その時はなんとなしに見ているつもりでも
シャワーで頭を洗っている時背後がとても気になることはよくあることだ。
その時も頭を洗っていてふと背後に気配を感じ恐る恐る振り返る。
何も無い。
前に向き直る、がまた背後が気になる。振り向く。
やはり何も無い。
しかしこの時僕はおかしなことに気がついた。
背後を振り返るとき僕は右側から背後を振り返ったはずだ。
しかし前に向き直るとき僕はどちらから向き直った?
一瞬にして鳥肌が立った。
記憶を探る。いいや、そんなはずは無い。自分に言い聞かせる。
しかしいくら自分に言い聞かせたからといって。
360度の景色が僕の記憶にはある。



44. くねくね / すぐそこにある怪異


わたしの弟から聞いた本当の話です。
弟の友達のA君の実体験だそうです。

A君が、子供の頃A君のお兄さんとお母さんの田舎へ遊びに行きました。
外は、晴れていて田んぼが緑に生い茂っている頃でした。

せっかくの良い天気なのに、なぜか2人は外で遊ぶ気がしなくて、家の中で遊んでいました。ふと、お兄さんが立ち上がり窓のところへ行きました。A君も続いて、窓へ進みました。お兄さんの視線の方向を追いかけてみると、人が見えました。

真っ白な服を着た人、(男なのか女なのか、その窓からの距離ではよく分からなかったそうです)が1人立っています。(あんな所で何をしているのかな)と思い、続けて見るとその
白い服の人は、くねくねと動き始めました。(踊りかな?)そう思ったのもつかの間、その白い人は不自然な方向に体を曲げるのです。とても、人間とは思えない間接の曲げ方をするそうです。

くねくねくねくねと。

A君は、気味が悪くなり、お兄さんに話しかけました。
「ねえ。あれ、何だろ?お兄ちゃん、見える?」
すると、お兄さんも「分からない。」と答えたそうです。
ですが、答えた直後、お兄さんはあの白い人が何なのか、分かったようです。
「お兄ちゃん、分かったの?教えて?」とA君が、聞いたのですが、
お兄さんは「分かった。でも、分からない方がいい。」と、答えてくれませんでした。

あれは、一体なんだったのでしょうか?今でも、A君は、分からないそうです。
「お兄さんに、もう一度聞けばいいじゃない?」と、
私は弟に言ってみました。これだけでは、私も何だか消化不良ですから。すると、弟がこう言ったのです。
「A君のお兄さん、今、知的障害になっちゃってるんだよ。」



45. くねくね その2


これは小さい頃、秋田にある祖母の実家に帰省した時の事である。
年に一度のお盆にしか訪れる事のない祖母の家に着いた僕は、早速大はしゃぎで兄と外に
遊びに行った。都会とは違い、空気が断然うまい。僕は、爽やかな風を浴びながら、兄と
田んぼの周りを駆け回った。
そして、日が登りきり、真昼に差し掛かった頃、ピタリと風か止んだ。と思ったら、気持
ち悪いぐらいの生緩い風が吹いてきた。僕は、『ただでさえ暑いのに、何でこんな暖かい
風が吹いてくるんだよ!』と、さっきの爽快感を奪われた事で少し機嫌悪そうに言い放った。
すると、兄は、さっきから別な方向を見ている。その方向には案山子(かかし)が
ある。『あの案山子がどうしたの?』と兄に聞くと、兄は『いや、その向こうだ』と
言って、ますます目を凝らして見ている。僕も気になり、田んぼのずっと向こうをジーッと
見た。すると、確かに見える。何だ…あれは。


遠くからだからよく分からないが、人ぐらいの大きさの白い物体が、くねくねと動いている。
しかも周りには田んぼがあるだけ。近くに人がいるわけでもない。僕は一瞬奇妙に感じたが、
ひとまずこう解釈した。
『あれ、新種の案山子(かかし)じゃない?きっと!今まで動く案山子なんか無かった
から、農家の人か誰かが考えたんだ!多分さっきから吹いてる風で動いてるんだよ!』
兄は、僕のズバリ的確な解釈に納得した表情だったが、その表情は一瞬で消えた。
風がピタリと止んだのだ。しかし例の白い物体は相変わらずくねくねと動いている。兄は
『おい…まだ動いてるぞ…あれは一体何なんだ?』と驚いた口調で言い、気になって
しょうがなかったのか、兄は家に戻り、双眼鏡を持って再び現場にきた。兄は、
少々ワクワクした様子で、『最初俺が見てみるから、お前は少し待ってろよー!』と言い、
はりきって双眼鏡を覗いた。


すると、急に兄の顔に変化が生じた。みるみる真っ青になっていき、冷や汗をだくだく
流して、ついには持ってる双眼鏡を落とした。僕は、兄の変貌ぶりを恐れながらも、
兄に聞いてみた。『何だったの?』
兄はゆっくり答えた。
『わカらナいホうガいイ……』
すでに兄の声では無かった。兄はそのままヒタヒタと家に戻っていった。
僕は、すぐさま兄を真っ青にしたあの白い物体を見てやろうと、落ちてる双眼鏡を
取ろうとしたが、兄の言葉を聞いたせいか、見る勇気が無い。しかし気になる。
遠くから見たら、ただ白い物体が奇妙にくねくねと動いているだけだ。少し奇妙だが、
それ以上の恐怖感は起こらない。しかし、兄は…。よし、見るしかない。どんな物が兄に
恐怖を与えたのか、自分の目で確かめてやる!僕は、落ちてる双眼鏡を取って覗こうとした。
その時、祖父がすごいあせった様子でこっちに走ってきた。僕が『どうしたの?』と尋ねる前に、
すごい勢いで祖父が、『あの白い物体を見てはならん!見たのか!お前、その双眼鏡で見たのか!』
と迫ってきた。僕は『いや…まだ…』と少しキョドった感じで答えたら、祖父は『よかった…』
と言い、安心した様子でその場に泣き崩れた。僕は、わけの分からないまま、家に戻された。

帰ると、みんな泣いている。僕の事で?いや、違う。よく見ると、兄だけ狂ったように
笑いながら、まるであの白い物体のようにくねくね、くねくねと乱舞している。僕は、
その兄の姿に、あの白い物体よりもすごい恐怖感を覚えた。
そして家に帰る日、祖母がこう言った。『兄はここに置いといた方が暮らしやすいだろう。
あっちだと、狭いし、世間の事を考えたら数日も持たん…うちに置いといて、何年か
経ってから、田んぼに放してやるのが一番だ…。』
僕はその言葉を聞き、大声で泣き叫んだ。以前の兄の姿は、もう、無い。また来年実家に
行った時に会ったとしても、それはもう兄ではない。何でこんな事に…ついこの前まで仲良く
遊んでたのに、何で…。僕は、必死に涙を拭い、車に乗って、実家を離れた。


祖父たちが手を振ってる中で、変わり果てた兄が、一瞬、僕に手を振ったように見えた。
僕は、遠ざかってゆく中、兄の表情を見ようと、双眼鏡で覗いたら、兄は、確かに泣いていた。
表情は笑っていたが、今まで兄が一度も見せなかったような、最初で最後の悲しい笑顔だった。
そして、すぐ曲がり角を曲がったときにもう兄の姿は見えなくなったが、僕は涙を流しながら
ずっと双眼鏡を覗き続けた。『いつか…元に戻るよね…』そう思って、兄の元の姿を
懐かしみながら、緑が一面に広がる田んぼを見晴らしていた。そして、兄との思い出を
回想しながら、ただ双眼鏡を覗いていた。
…その時だった。
見てはいけないと分かっている物を、間近で見てしまったのだ。



46. 窓から見えるえんとつ


数年前のことですが、私の職場にKさんという人が転勤してきました。Kさんは、私と同じ社員寮に住むことになったのですが、しばらくして、私と雑談している時に、
「寮の窓から見える高い煙突は何だ?」
と訊いてきました。その時のKさんは心なしか青ざめていたようでした。
私には心当たりはなかったのですが、同じ社員寮でも、私とKさんの部屋は離れていましたし、Kさんの部屋の窓から見える風景と、私の部屋から見える風景が同じとは限りません。それに私もその土地では余所者でしたし、詳しい地理を知っていたわけでもありませんので、銭湯か何かの煙突でしょう、と適当に話を合わせ、その話はそれきりになっていたのです。ところが、それからひと月ほど経って、Kさんが寮から程近い住宅街で死んでいるのが発見されました。死体の状態は無惨なものだったそうです。奇妙なことに、Kさんはかなり高い所から、墜落して死んだらしいのですが、Kさんの遺体が発見された付近は、住宅ばかりで墜死するほどの高所は見当たりません。とはいえ、自動車事故でもなく、他殺の疑いはまったくなく、結局事故死として処理されたようです。

さて、私はKさんの本葬に参列するため、Kさんの郷里を訪れました。Kさんの郷里というのは、九州のある海辺の町だったのですが、遺族の方の車に乗せてもらって、Kさんの実家に向かう途中、海沿いの道路に差し掛かった時、現れた風景に目を奪われました。そこには、古びた工場に、巨大な煙突が立っていたのです。遺族の方によると、それはお化け煙突と言われる煙突で、かなり昔から町のシンボルとしてそこに建っているそうです。私は何となく、Kさんが寮の窓から見た煙突というのが、この煙突ではないかと思えてなりませんでした。

ところで、私は最近たいへん不安な日々を送っています。私の寮の部屋の窓から、高い煙突が見えるようになったのです。心なしかKさんの郷里で見た、あのお化け煙突に似ているような気がしました。煙突はかなり遠くに見えますので、以前からあったのに気づかなかった可能性もないとは言えません。また、最近になってできた建造物かもしれませんが、私にはその煙突が最近になって忽然と現れたようにしか思えないのです。職場の同僚に訊いてみてもあいまいな答しか返ってきません。

私には、あの煙突の近くまで行って確かめてみる勇気はありません。
皆さん、お願いです。今すぐあなたの家の窓から、外を覗いてみてほしいのです。
それまで見たこともなかった煙突が見えるということが、あったら教えてほしいのです。
いったいそんなことが、あり得ることなのでしょうか?



47. 訪ねたことのある村


数年前、ふとある村の事を思い出した。
一人で旅行した時に行った小さな旅館のある村。
心のこもったもてなしが印象的だったが、なぜか急に行きたくなった。

連休に一人で車を走らせた。
記憶力には自信があるほうなので、道は覚えている。
村に近付くと、場所を示す看板があるはずなのだが、
その看板を見つけたときあれっと思った。
「この先○○km」となっていた(と思う)のが、「巨頭オ」になっていた。
変な予感と行ってみたい気持ちが交錯したが、行ってみる事にした。
車で入ってみると村は廃村になっており、建物にも草が巻きついていた。

車を降りようとすると、20mくらい先の草むらから、
頭がやたら大きい人間?が出てきた。

え?え?とか思っていると、周りにもいっぱいいる!
しかもキモい動きで追いかけてきた…。
両手をピッタリと足につけ、デカイ頭を左右に振りながら。

車から降りないでよかった。
恐ろしい勢いで車をバックさせ、
とんでもない勢いで国道まで飛ばした。
帰って地図を見ても、数年前に言った村と、
その日行った場所は間違っていなかった。
だが、もう一度行こうとは思わない。



48. んー。


現在も住んでいる自宅での話

今私が住んでいる場所は特に曰くも無く、昔から我が家系が住んでいる土地なので
この家に住んでいれば恐怖体験は自分には起こらないと思っていました。
ここ最近ですが、リビングにいると昼夜を問わず、
女性の低い声で鼻歌が聴こえてきます。
「ん〜…ん〜ん〜…」
最初はよ〜く耳をすまさなければ気づかないほどに遠くから聴こえてくるのですが、
放っておくとどんどん近づいてきます。
「ん〜…ん〜ん〜…」
それでも放っておくと、意識を集中しなくても聴こえるほどに近づいてきます
「ん〜…ん〜ん〜…」
なので私は、その声に気づいたらいつも般若心経の最後の部分を
繰り返し唱えるようにしています。(これしか知らないもので……)
とにかく般若心経の「ぎゃーていぎゃーてい」のくだりを唱え続けると、
声はだんだん遠ざかっていきます。
このリビングではテレビにも集中できません。
声が聴こえ始めるのは完全に不定期ですし、早く声に気づいて
般若心経を唱え始めなければ、時としてそれは部屋にまで入ってきます。
「ん〜…ん〜ん〜…」

そういえばこの前、大好きなバンドのニューアルバムが発売されました。
発売日を楽しみにしていたので、お店で買った時はもうテンション↑↑
さっそく家に帰ってヘッドフォンで聴いて、一通り聴き終え、
よかったな〜と余韻に浸りながらヘッドフォンを取ったら耳元で

「んーーーーーーーーーーーーーーー」

って。



49. 蛍光灯チャチャチャ


怖い話読んでて怖かったから、蛍光灯を点けたまま寝ようとしたんだ。ただ、電気代を考えて(おれ独り暮らし)、片方だけ残してね。そしたらさ、いつもの癖で全部消しちゃったんだよ。
チャ(蛍光灯Aオフ)
チャ(蛍光灯Bオフ、豆球オン)
チャ(豆球オフ)て紐を3回引いて。

当然、部屋の中はほぼ真っ暗。慌てて点け直そうとしたもんだから、
また3回引いちゃって。
チャ(蛍光灯ABオン)
チャ(蛍光灯Aオフ)
チャ(蛍光灯Bオフ+豆球オン)となったわけ。

豆球一個だと、それはそれで怖いよね。逢魔が時って感じ? 結局、慌てまくってまたまた3回、
チャ(豆球オフ)
チャ(蛍光灯ABオン)
チャ(蛍光灯Aオフ)て引いたんだ。

本来ならそれでOKなんだけど、蛍光灯がチカチカしてる瞬間に見ちゃったんだよ。見知らぬ男がね、一緒になって紐を引っ張ってやがんの。そりゃもう楽しそうに。部屋が明るくなったら消えたけど。



50. 本の中のメモ


高校3年のときの話

図書館で本を借りたら、本の中に「こんにちわ」と書かれたメモが入っていた。次の週また別の本を借りたら、「こんにちわ。このまえのよんでくれましたか]と書かれたメモが入っていた。それから一週間に一回くらいのペースで私の借りた本の中にメモが入っていた。そこには「こんにちわ」から始まって、私がやったことが書かれていた。
(「こんにちわ、こぶんのじかんねちゃだめだよ」のような感じで)
私の直前に借りた人は毎回違うし、他の人にこのメモが入っていたという話は聞かない。一応借りる前に、パラパラページをめくってメモがないかチェックしていたが、いつの間にか挟まっている。同じ学校の人がやっているのかと思ったが、学校以外で学校の人が回りにいない時に起こったことも書かれていた。
三ヶ月くらい経って、いい加減恐くなり友達に相談をした。友達は、返事を書いてみたらどうかという。
私は「こんにちわ。いつもお手紙ありがとう。でも、私もうすぐ卒業だからもう手紙読めないんだ。ごめんね。さようなら。」
と書いて、本を返却する時に挟んでおいた。
次本を借りた時、またメモが入っていた。
そこには「わかった。ばいばい。」と書かれていた。
それからメモが挟まっていることはなくなった。



51. まど


そいつはもともと休みがちな奴だったんだけど、ある日を境に大学の友達が授業でてこなくなった。まあ出てこなくなる前とかちょっと体調悪そうだったからなんか病気かなって思ってたんだけど、来なくなる前の講義中とか居眠りしてたと思ったら血相変えて急に立ち上がって講義室から出て行ったり、なんだか奇行が目立ってた。知り合った当初とかはテンション高くて、まあ、よくいる普通の若者っぽいって言うか大学生らしい大学生してたんだけど今思うとちょっとおかしくなってたと思う。

で、前期のテストがすぐそこまで迫ってるのに全然学校来ないからとりあえず携帯に電話した。普通に電話に出て「朝起きれなくて」みたいなことをぼそぼそ言ってた。後ろで誰かが話してるみたいな雑音が聞こえたんで、まあ、友達と遊んでるようなら心配しなくてもいいなと少し安心したんだけどその後テスト始まってからもそいつは全然学校に来ない。もう一回携帯に電話して通話になったんだけど今度は換気扇の音みたいのがうるさくて何か喋ってるようだけど全然聞き取れない。メールとかもしたけど平仮名で「まど」って書いてあるだけの妙な返事が返ってきた。

そうこうしてるうちに前期のテストも最終日を迎えて俺はそいつの家に行ってみようと思った。道順とかは曖昧にしか憶えてないけど以前飲み会の後にそいつのアパートに泊まったことがあったから、あんま深く考えずにそこに向かった。迷ったりしながらもなんとか辿り着いてチャイムを鳴らしたけど出ない。メールも電話もまともにできないししょうがないから書置きでもしていこうかと思ってた矢先に、部屋の中で何か物を落としたようなゴトっていう鈍い音が聞こえた。なんだいるんじゃん、と思ってドアをノックしたけど出てこない。嫌な予感がしたから今度は直接ノブを回してみた。
鍵は開いていた。ドアの隙間からひんやりとした空気漏れてきた。クーラーが入ってるようだ。電気はついてない。名前を呼びながら中に入っていくとベッドの上でそいつは横になっていた。とにかくクーラーが効きすぎていて暑い中歩いてきたというのに体からすでに汗も引いて少し寒くなってきていた。

そんなくそ寒い部屋の中でそいつは薄い素材のパジャマみたいなのを着てるだけで布団も被っていない。ひどく調子が悪そうで目の下には濃い隈が出来ていたしなんだか急に老人になったような感じでずいぶん小さく見えた。俺を見上げるために首を動かすのもだるいようで随分緩慢な動きでやっと顔をこっちに向けてきた。とりあえず俺は体調について聞くと独り言を言うように「だるい」だとか「動けない」だとかそんなことをぼそぼそと答えた。続けてテストに出てこなかったことと携帯に電話やメールをしてもまともに返事が来ないことを尋ねると、「携帯電話はとられた」と答えた。「は?誰に?」と聞き返すとゆっくりと手をあげて窓のほうを指差した。

「ずっとそこにいるんだ」

そいつの言ってることの意味がわからなくてカーテンのかかった窓をずっと見つめていると外灯の光でカーテンに人型のシルエットが出来ていた。俺はパニックになりそうだった。ベランダに誰かがいる。体中の毛穴が開き血の気が一気に引いていく。
俺はすぐに玄関まで引き返し靴を履いて逃げ出した。後ろから「置いていかないでくれ」という悲鳴にも似た声が聞こえていたがとてもかまっていられなかった。駅についてから大分落ち着き、警察に電話しようかどうかしばらく迷ったがあれは犯罪とかそんなもんじゃなくもっと異質な別の何かだと思い連絡しなかった。
家へ帰るとまずカーテンを開き窓を開け放して布団に入った。とにかく怖かった。

布団の中で考えまいとしてもどうしても頭に浮かんでくることがあった。確かそいつの家のエアコンの室外機はあの人影を見た窓の外にあったはずだ。俺が電話で聞いた換気扇のような音はその室外機の音だったのかもしれない。
俺は携帯のメールから例の「まど」と書かれたメールと着信履歴発信履歴を削除してそいつを着信拒否に設定した。
後期に入ってももうそいつは学校に来なかった。気になったので学生課に聞きに行くとやめたということだった。学生課の中年は「まーテストとか休んじゃうとねー結構そのまんまやめちゃう子が多くてねえ」と苦笑いしながら言っていた。

あれからちょうど一年。今年もテスト期間が近づいてきている。今年の春に入ってからはカーテンを閉めていても眠れるようになった。なんだかんだバイトや学校で忙しくて、最近は寝に帰るだけだからカーテンを開けてすらいない。
昨日の朝携帯をチェックしたらそいつの番号から着信が入っていた(拒否にしても履歴には残る)。当然かけ返したりはしていないがどうもここのところ窓の外に何かがいるような気がする。
俺はカーテンを開けたほうがいいだろうか?



52. 読心術


三年ほど前の夏の話。
友人の部屋で大学の講義をさぼり、何するでもなくダラダラしていた。
他愛も無い馬鹿話、その中で友人がふとこんな事を口にした。
「なあ、もしこの世に読心術できる奴がいてさあ、俺が今読心術の出来る奴って
いるのかなあって考えてる事も読んでるって考えてるのも読んでるのかなあ?」
…人間、暇になると何て非生産的な事を考えるんだとその場は苦笑していたのだが、
翌日からそいつが音信不通になった。
落とせないゼミにも顔を出さず、一緒だったバイトも無断欠勤した。携帯も通じない。
そんな事が三日ばかり続き、さすがに何かあったかと部屋を訪ねて行った。

部屋の前まで来ると、中から妙な音が聞こえる。人の歌のような、機械音のような音。
思いきって開けたドアの向こうに彼はいた。カーテンを締め切った真夏の部屋。
その真中で彼は歌っていた。直立で、一点を見たまま声を枯らして。


放心している彼を何やかやとなだめすかし、事の次第を聞いた。
私と馬鹿話をした日の夜だったという。寝いりばなに電話が来たのだという。
「あの…」聞いたことの無い、掠れた女の声だったという。声が小さくてよく聞こえない。
「…ない…よ」はぁ?「きょう…だれ…」どなた?「…おも…じゃな…」
同じような言葉をニ三度繰り返した後、沈黙が流れた。
気持ち悪くなった彼が受話器をおこうとした時、はっきりとした声で女が言った。

「あなたが今日思った事、誰にも言うんじゃないよ」

それから三日、何も頭に浮かべないように、歌い続けていたのだという。



53. 深夜の臨時放送


15年くらい前夜中の2時30分頃テレビをつけたら
カラーバーが映っていて(あたりまえですが)
ああ、やっぱりこの時間は放送やってないな、寝ようと
ふと思ったその時急に画面が切り替わって
ゴミ処理場が映し出されました。そしてテロップに
NNN臨時放送と出てひたすら処理場を遠景で映し続けるのです。
なんなのだろうと思って様子をうかがっていると
人の名前がスタッフロールのようにせり上がってきて
ナレーター?が抑揚のない声でそれを読み上げていきました。
バックには暗い感じのクラシックが流れ
だいたいそれが5分くらい続いたでしょうか、最後に

「明日の犠牲者はこの方々です、おやすみなさい。」

それ以来深夜放送が怖くてたまりません。
周りは誰もこの話を信じてくれないし…



54. 街中観察


オレにはちょっと変な趣味があった。
その趣味って言うのが、夜中になると家の屋上に出てそこから双眼鏡で自分の住んでいる街を観察すること。
いつもとは違う、静まり返った街を観察するのが楽しい。
遠くに見えるおおきな給水タンクとか、酔っ払いを乗せて坂道を登っていくタクシーとか、
ぽつんと佇むまぶしい自動販売機なんかを見ていると妙にワクワクしてくる。
オレの家の西側には長い坂道があって、それがまっすぐ漏れの家の方に向って下ってくる。
だから屋上から西側に目をやれば、その坂道の全体を正面から視界に納めることができるようになってるわけね。
その坂道の脇に設置されてる自動販売機を双眼鏡で見ながら
「あ、大きな蛾が飛んでるな?」
なんて思っていたら、坂道の一番上のほうから物凄い勢いで下ってくる奴がいた。
「なんだ?」と思って双眼鏡で見てみたら全裸でガリガリに痩せた子供みたいな奴が
満面の笑みを浮かべながらこっちに手を振りつつ、猛スピードで走ってくる。
奴はあきらかにこっちの存在に気付いているし、漏れと目も合いっぱなし。
ちょっとの間、あっけに取られて呆然と眺めていたけど、なんだか凄くヤバイことになりそうな気がして、
急いで階段を下りて家の中に逃げ込んだ。
ドアを閉めて、鍵をかけて 「うわーどうしようどうしよう、なんだよあれ!!」
って怯えていたら、ズダダダダダダッって屋上への階段を上る音が。
明らかにオレを探してる。 「凄いやばいことになっちゃったよ、どうしよう、まじで、なんだよあれ」
って心の中でつぶやきながら、声を潜めて物音を立てないように、
リビングの真中でアイロン(武器)を両手で握って構えてた。
しばらくしたら、今度は階段をズダダダダッって下りる音。
もう、バカになりそうなくらいガタガタ震えていたら、ドアを
ダンダンダンダンダンダン!! って叩いて、チャイムを
ピンポンピンポン!ピポポン!ピポン!! と鳴らしてくる。
「ウッ、ンーッ!ウッ、ンーッ!」
って感じで、奴のうめき声も聴こえる。 心臓が一瞬とまって、物凄い勢い脈打ち始めた。
さらにガクガク震えながら息を潜めていると、数十秒くらいでノックもチャイムもうめき声止んで、元の静かな状態に……。
それでも当然、緊張が解けるわけがなく、日が昇るまでアイロンを構えて硬直していた。
あいつはいったい何者だったんだ。もう二度と夜中に双眼鏡なんか覗かない。



55. あなたが選んだ数 / あやつられる認知


このマインドゲームはかなり不思議です。
次の注意に従ってゲームしてください!!
※ はやくスクロールして下のほうの文章を読んではいけません!

なるべく一行ずつ、スクロールしましょう。
計算はできるだけ早く、アタマの中でしましょう。
次の質問に答えてください。

2+2?


4+4?


8+8?


16+16?


12と5の間で思いつく数字は???












あなたの選んだ数字は、7ではないですか???



56. あなたが選んだ言葉


突然ですが、次の8つの単語の中から、1つを自由に選んで見て下さい。

スキー、鼻水、コップ、温泉、ゴミ箱、コーヒー、冬、お土産



選びましたか?
では今度は、その単語と関係あると思うものを、次の8つの単語から選んで下さい。

電卓、雪、針、ティッシュ、米、まんじゅう、牛乳、電話



はい、ありがとうございます。
選んだそれを強くイメージしてから、次に進みましょう。
そのものの特徴を、次の8つの中から選んで下さい。

大きい、遅い、白い、鋭い、暗い、甘い、赤い、狭い



それでは最後に、その特徴に当てはまるものを次の8つの中から選んで下さい。

ナイフ、ピラミッド、砂糖、亀、犬小屋、宇宙、七味唐辛子、深海



選びましたか?
では、あなたが何を選んだかズバリ当てて見せましょう。



あなたが選んだものは砂糖ですね?



57. 読めてしまう


こちにんは みさなん おんげき ですか?  わしたは げんき です。 この ぶんょしう は いりぎす の ケブンッリジ だがいく の けゅきんう の けっか にんんげは たごんを にしんき する ときに その さしいょ と さいご の もさじえ あいてっれば じばんゅん は めくちちゃゃ でも ちんゃと よめる という けゅきんう に もづいとて わざと もじの じんばゅん を いかれえて あまりす。 どでうす? ちんゃと よゃちめう でしょ?



58. 三人目の大人


小学校2年生の教室で、図工の時間に『あなたの家族を描いてね』という課題が出た。みんなお喋りをしながら色鉛筆で画用紙いっぱいに絵を描いた。原っぱにお父さんとお母さんと女の子がニコニコ笑いながら並んでいる絵。スベリ台のようなものに乗って遊んでいる子ども二人を、お父さんとお母さんが見ている絵。お父さんとお母さんだけではなく、おじいちゃんおばあちゃんも一緒に並んでいる絵。飼っている猫や犬も一緒に描いている子が多かった。その年代の子どもはペットも家族の一員という認識が強いのだろう。

授業が終わり、描きあがった作品をひとつひとつ見ていた先生は、ふと、ある子が描いた絵に首を傾げた。それはクラスでも大人しい、目立たない男の子が描いたもので、見た目には何色もの色鉛筆をふんだんに使い、賑やかで楽しい絵になっている。けれどそこには奇妙な違和感があった。
画用紙には家族がテーブルらしきものを囲んで座っている絵が描かれている。食事どきの団欒の風景だろうか。みんなこちらがわを向いているのだが、その構成がどこかおかしい。左からお父さんらしい眼鏡を掛けた大人と、お母さんらしいパーマ頭の大人、そして男の子が一人。さらに右端にはもう一人の大人がいる。みんな笑っていて、口の中は赤い色で豪快に塗られているのに、右端の大人だけは口を閉じたまま、無表情で座っている。目は糸のように細い。大人だということは身体の大きさで分かる。クラスの子どもたちはみんな、子どもである自分と大人をはっきり大きさで区別している。

その右端の無表情の大人は、年齢はよくわからないが、皺を表す線がまったくないので少なくとも老人ではないようだった。三人の大人と一人の子ども。
……
それはどこか人を不安な気持ちにさせる絵だった。先生はその男の子の家族構成を思い出す。団地のアパートの一室に住んでいる一家で、お父さんとお母さんとその一人息子の三人家族だったはず。ではこの三人目の大人はいったい誰なのだろう。最近親戚でも遊びに来ていたのだろうか?
そう思って、先生はこびり付くような気持ちの悪さを振り払う。気を取り直して次の絵をめくる。けれど、頭の片隅ではその三人目の大人がどうして笑っている家族の中で一人だけ無表情に描かれているのだろうと、考えずにはいられなかった。

――2週間が過ぎた。

その日は参観日で、教室の後ろにズラリと並ぶ着飾った大人たちに子どもたちは気もそぞろ。いつもは張り切って悪さをする子もその時ばかりはカチンコチンに緊張して大人しくなってしまっている。先生は授業の終わりに、「このあいだの図工の時間にみんな家族の絵を描いたよね」と言った。きゃあ、という子どもたちの歓声。
そして先生は授業参観をしている父兄たちの後ろを手で示し、「後ろの壁に貼っているのがその絵です」と言った。父兄たちは一斉に振り返り、我が子の作品を見ようと絵の下に貼られた名前を頼りに探し始める。
そしてお母さんたちは「いやぁ」と口々に言って、大げさな身振りで恥ずかしがる。お父さんたちは静かに苦笑をする。子どもたちはてんでに騒ぎ始めて大はしゃぎ。
そんな光景を微笑ましく眺めていた先生は、父兄たちに話しかけようと教壇を降りて歩き始める。

その瞬間、つんざくような悲鳴が上った。悲鳴は教室中に響き渡り、大人も子どもも息を呑んで動きを止める。その声の主は、壁の隅の絵を見ていたパーマ頭の女性だった。先生が駆け寄ると、その女性は目を剥き指を鉤のように折り曲げて口元にあてたまま叫び続けている。その視線の先には、絵の中でテーブルの端に座る三人目の大人の無表情な顔があった。





「という怪談があってな」
と師匠は言った。
大学に入ったばかりの春のことだった。
彼は大学のサークルの先輩だったが、サークル活動とはまったく無関係に重度のオカルトマニアで、僕はその後ろをヨチヨチとついていく弟子というか子どものような存在だった。
「ここはどこですか」
一応聞いてみたが、答えは薄々わかっていた。
僕たちは人気のない団地の、打ち捨てられて廃墟同然になっているアパートの一室に忍び込んでいた。
僕たちがしゃがみ込む畳には土足の跡や、空き缶、何かが焦げた跡などがある。少なくとも人が住まなくなって5年以上は経っている様子だった。

師匠は言う。
「その三人目の大人を描いた子どもが、家族と住んでいた部屋だ」
実話なんですか。
そう聞くと、頷きながら「もともと巷の怪談として広まってるわけじゃなくて、個人的なツテで収集した話だ」と言って、部屋を照らしていた懐中電灯を消した。
深夜の1時過ぎ。辺りは暗闇に覆われる。
どうして明かりを消すんだろうと思いながら、じわじわとした恐怖心が鎌首をもたげてくる。
「怪談の意味はわかったよな」
と師匠らしき声が暗がりから聞こえる。
なんとなく、わかる。
母親が最後に悲鳴を上げるのは、その三人目の大人が、本来そこに描かれていてはおかしい人物だったからだ。まったく心当たりのない人物ではない。そうならば「誰かしら」と首を捻るくらいで、そこまで過剰な反応は起こさないだろう。
知っているのに、そこにいてはいけない人物。
それも死んでいなくなった家族などであれば、それを絵の中に描いた男の子の感性に涙ぐみこそすれ、恐怖のあまり悲鳴を上げたりはしないだろう。
知ってはいるが、家族であったこともなく、しかもテーブルを囲んでいてはいけない人物。
暗い部屋に微かな月の光が滲むように射し込み、柱や壁や目の前に座っているはずの師匠の輪郭をおぼろげに映し出している。
かつてテーブルが置かれていたであろう6畳の居間に僕は身を硬くして座っている。闇の中に、青白い無表情の顔が浮かび上がりそうな気がして、どうしようもない寒気に襲われる。

師匠が、張り詰めた空気を震わせるように囁く。
「実は、気づいていないかも知れないが、この話を聞いた人間にもある影響が自然と及ぼされる」
ふーっ、という息を吐き出す音。
僕も息を吸って、吐く。
「話を聞いただけなのに、おまえは何故かもうその顔を想像している」
心臓が脈打ち、耳を塞ぎたくなる衝動に駆られる。
「大人と、聞いただけなのに、何故かおまえはその顔を、女ではなく、口を閉じた無表情の男の顔として想像してしまっている」
僕は耳を塞いだ。そして目を瞑る。頭が勝手に、虚空に浮かぶ顔を想像している。
どこからともなく声が聞こえてくる。

それがここにいてはいけない三人目の顔だよ



59. ヤマノケ / 今週の目玉


一週間前の話。
娘を連れて、ドライブに行った。
なんてことない山道を進んでいって、途中のドライブインで飯食って。
で、娘を脅かそうと思って舗装されてない脇道に入り込んだ。

娘の制止が逆に面白くって、どんどん進んでいったんだ。
そしたら、急にエンジンが停まってしまった。

山奥だからケータイもつながらないし、車の知識もないから
娘と途方に暮れてしまった。飯食ったドライブインも歩いたら何時間かかるか。
で、しょうがないからその日は車中泊して、次の日の朝から歩いてドライブイン
行くことにしたんだ。

車内で寒さをしのいでるうち、夜になった。
夜の山って何も音がしないのな。たまに風が吹いて木がザワザワ言うぐらいで。

で、どんどん時間が過ぎてって、娘は助手席で寝てしまった。
俺も寝るか、と思って目を閉じてたら、何か聞こえてきた。

今思い出しても気味悪い、声だか音だかわからん感じで

「テン(ケン?)…ソウ…メツ…」って何度も繰り返してるんだ。

最初は聞き間違いだと思い込もうとして目を閉じたままにしてたんだけど、
音がどんどん近づいてきてる気がして、たまらなくなって目を開けたんだ

そしたら、白いのっぺりした何かが、めちゃくちゃな動きをしながら車に近づいて
くるのが見えた。形は「ウルトラマン」のジャミラみたいな、頭がないシルエットで
足は一本に見えた。そいつが、例えるなら「ケンケンしながら両手をめちゃくちゃに
振り回して身体全体をぶれさせながら」向かってくる。

めちゃくちゃ怖くて、叫びそうになったけど、なぜかそのときは
「隣で寝てる娘がおきないように」って変なとこに気が回って、叫ぶことも逃げることも
できないでいた。

そいつはどんどん車に近づいてきたんだけど、どうも車の脇を通り過ぎていくようだった。
通り過ぎる間も、「テン…ソウ…メツ…」って音がずっと聞こえてた。

音が遠ざかっていって、後ろを振り返ってもそいつの姿が見えなかったから、ほっとして
娘の方を向き直ったら、そいつが助手席の窓の外にいた。
近くでみたら、頭がないと思ってたのに胸のあたりに顔がついてる。思い出したくもない
恐ろしい顔でニタニタ笑ってる。

俺は怖いを通り越して、娘に近づかれたって怒りが沸いてきて、「この野郎!!」って
叫んだんだ。
叫んだとたん、そいつは消えて、娘が跳ね起きた。

俺の怒鳴り声にびっくりして起きたのかと思って娘にあやまろうと思ったら、娘が
「はいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれた」
ってぶつぶつ言ってる。

やばいと思って、何とかこの場を離れようとエンジンをダメ元でかけてみた。そしたら
かかった。急いで来た道を戻っていった。娘はとなりでまだつぶやいている。

早く人がいるとこに行きたくて、車を飛ばした。ようやく街の明かりが見えてきて、
ちょっと安心したが、娘のつぶやきが「はいれたはいれた」から「テン…ソウ…メツ…」に
いつの間にか変わってて、顔も娘の顔じゃないみたいになってた。

家に帰るにも娘がこんな状態じゃ、って思って、目についた寺に駆け込んだ。
夜中だったが、寺の隣の住職が住んでるとこ?には明かりがついてて、娘を引きずりながら
チャイムを押した。

住職らしき人が出てきて娘を見るなり、俺に向かって「何をやった!」って言ってきた。
山に入って、変な奴を見たことを言うと、残念そうな顔をして、気休めにしかならないだろうが、
と言いながらお経をあげて娘の肩と背中をバンバン叩き出した。

住職が泊まってけというので、娘が心配だったこともあって、泊めてもらうことにした。
娘は「ヤマノケ」(住職はそう呼んでた)に憑かれたらしく、49日経ってもこの状態が続くなら
一生このまま、正気に戻ることはないらしい。住職はそうならないように、娘を預かって、
何とかヤマノケを追い出す努力はしてみると言ってくれた。妻にも俺と住職から電話して、
なんとか信じてもらった。住職が言うには、あのまま家に帰っていたら、妻にもヤマノケが
憑いてしまっただろうと。ヤマノケは女に憑くらしく、完全にヤマノケを抜くまでは、妻も
娘に会えないらしい。

一週間たったが、娘はまだ住職のとこにいる。毎日様子を見に行ってるが、もう娘じゃないみたいだ。
ニタニタ笑って、なんともいえない目つきで俺を見てくる。
早くもとの娘に戻って欲しい。

遊び半分で山には行くな。



60. うしろじゃない



よく、不意に後ろが気になったりしない?

なんか、幽霊でもいるんじゃないか、って怖くなったりしない?


でもね、振り返っても無駄だよ。
だって



真 上 に い る も の


[2010.09.13 20:53] | [m]emo  |  TOP↑