[b] ロサンゼルスBB連続殺人事件
[DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件] / 西尾維新 / ★5+★ (いつかまた読むかも)

あなたはLの伝説を見る!
「週刊少年ジャンプ」で大人気を博した“予測不可能”なサスペンス漫画が、待望のノベライズ! 原作の大場・小畑、両先生が熱望した、ノベル界で最も熱い西尾維新先生が描く完全オリジナルストーリー。

西尾維新が好きじゃないとつらいかもしれない。
原作未読の人はあんまり楽しめないし意味がわからないかも。かといって原作既読の人には予想外ではあるけれどもひたすらズルい印象を与えてしまいそう。ズルいもの。
[2006.11.09 16:14] | [b]ook |  TOP↑
[b] 博士の愛した数式
[博士の愛した数式] / 小川洋子 / ★5+0 (一度読めば十分かも)

記憶が80分しか持続しない天才数学者は、通いの家政婦の「私」と阪神タイガースファンの10歳の息子に、世界が驚きと喜びに満ちていることをたった1つの数式で示した…。頻出する高度な数学的事実の引用が、情緒あふれる物語のトーンを静かに引き締め整える。著者最高傑作の呼び声高い1冊。

泣けるかというと微妙。かといって数学的に面白いかというともっと微妙。
そもそも、数学者を主人公に据えた話って成立しづらい気がするっていう。そういえばむかし何かのドラマでウェディングドレスを68等分するって話があったそうな。68は17×4で、確かに正17角形は作図可能だけど。一人多くて69人だったらどうするんだろうね。ま、エロい数字。

[2006.11.10 04:46] | [b]ook |  TOP↑
[b] 箱の中の天国と地獄
[箱の中の天国と地獄] / 矢野龍王 / ★5+★ (いつかまた読むかも)

「二つの箱のどちらかを開ければ上階への扉は開かれる。但し正解は一つ、不正解には死の制裁が」般若の面を被る謎の男に集められた男女6人が、密室と化した25階建の極秘施設から脱出するため繰り広げる極限の二者択一ゲーム。彼らはただ運を天に任せるしかないのか、それとも正解の箱を選ぶヒントがどこかに隠されているのか?天国と地獄の究極選択S・S開幕。

とってもCUBEを彷彿とさせると思ったら、素数がどうのとかそれらしい台詞があったのできっと故意犯。バトルロワイアルっぽいってレビューがあったけど、それは違うかな。自分が生き残るために人を犠牲にしてよい、ということと、他人を犠牲にしなければ自分が生き残れない、というのは似てるようで全く趣きが違います。登場人物の魅力はあんまりなく、誰がお亡くなっても感慨がいまいちでさっくりいける。最後の謎は中学生むけぐらいかなぁ。ワンアイデア奇抜勝負。こういう罠のようなものが出てくるグロい話は、もちろん嫌いじゃないよ。
[2006.11.11 02:09] | [b]ook |  TOP↑
[b] グミ・チョコレート・パイン グミ編
[グミ・チョコレート・パイン グミ編] / 大槻ケンヂ / ★5+0 (一度読めば十分かも)

大橋賢三は高校二年生。学校にも家庭にも打ち解けられず、猛烈な自慰行為とマニアックな映画やロックの世界にひたる、さえない毎日を送っている。ある日賢三は、親友のカワボン、タクオ、山之上らと「オレたちは何かができるはずだ」と、周囲のものたちを見返すためにロックバンドの結成を決意するが…。あふれる性欲と、とめどないコンプレックスと、そして純愛のあいだで揺れる“愛と青春の旅立ち”。大槻ケンヂが熱く挑む自伝的大河小説、第一弾。

サブカルの権威(カウンターカルチャーの権威ってなんだかおかしいけど)、大槻ケンヂの著。可能性の塊で今は燻っているだけと信じている主人公と、クラスメートで美少女で厨設定な能力の持ち主の女の子がボーイミーツガールします。なんて妄想の具現化。いや、小説なんてそんなものだけどさ。とりあえず続編を読む元気は今のところなし。当時のサブカルのマストアイテム(なんてスイーツ的な語句だろう)が羅列されているので、資料としていいかもですよ。
[2006.11.11 03:04] | [b]ook |  TOP↑
[b] 移動都市
[移動都市] / フィリップ・リーヴ / ★5+0 (一度読めば十分かも)

60分戦争で文明が荒廃した遙かな未来。世界は都市間自然淘汰主義に則り、移動しながら狩ったり狩られたり、食ったり食われたりを繰り返す都市と、それに反撥する反移動都市同盟にわかれて争っていた。移動都市ロンドンに住むギルド見習いの孤児トムは、ギルド長の命を狙う謎の少女ヘスターを助けるが…。過酷な世界でたくましく生きるトムとヘスターの冒険。傑作シリーズ開幕。

60分戦争、都市が都市を食うシステム、大量の飛行船乗りたち。男心をとてもくすぐるガジェットが散りばめられています。でも、そんなに魅力的に感じなかったのは登場人物の魅力の薄さからかもしれない。せめて、ヒロインは天空の城ラピュタぐらいかわいいって設定にしようよ、もったいない。でもヒロインがかわいいって設定も厨くさいって言ってしまえばそれまでなのだけど!
でも、映像化すると鮮烈に印象に残りそう。是非見てみたい。

[2006.11.17 01:49] | [b]ook |  TOP↑
[b] フォア・フォーズの素数
[フォア・フォーズの素数] / 竹本健治 / ★5+★ (いつかまた読むかも)

「フォア・フォーズ」とは、四つの4と記号を組み合わせて数字を作るパズルのこと。例えばゼロなら4+4-4-4=0、1なら(4+4)÷(4+4)=1…。病気のせいで外で遊べなかったボクは、この単純だけれど奥深いパズルに夢中になった。しかしある日、年上の少女・エルがボクに告げた一言で、ボクがそれまでに作り上げた「四つの4」の世界は終わってしまった。―。少年が抱える孤独と絶望をリリカルに描いた表題作「フォア・フォーズの素数」をはじめ、ミステリー・SF・ホラーなど多岐にわたる作品を収録した、待望の短編集。

ジャンルが割りとバラバラな13篇の短編集。特筆すべきはやっぱり表題作の「フォア・フォーズの素数」。でもよく考えたら素数関係ないんだよね、これ。パズル的な解答もなるほどとは思ったけど、個人的には登場する双子に興味を惹かれた。きっと二卵性で、男の子はただの頭のいい子、女の子は(たぶん)サヴァン症候群。英国庭園でサヴァンの娘が二人で延々問題を出し合ったりしてる光景を想像したりすると、いとおかし。
[2006.11.17 02:29] | [b]ook |  TOP↑
[b] ロミオとロミオは永遠に
[ロミオとロミオは永遠に] / 恩田陸 / ★5+0 (一度読めば十分かも)

日本人だけが地球に居残り、膨大な化学物質や産業廃棄物の処理に従事する近未来。エリートへの道は唯一、「大東京学園」の卒業総代になることであった。しかし、苛酷な入学試験レースをくぐりぬけたアキラとシゲルを待ち受けていたのは、前世紀サブカルチャーの歪んだ遺物と、閉ざされた未来への絶望が支配するキャンパスだった。やがて最下級の「新宿」クラスと接触したアキラは、学園の驚くべき秘密を目にするが…。

極限(男子校)学園モノです。意外とアッー要素はナシ、いや、あったかも、でも印象に残ってない。サブカルばんざい!だいばんざい! 巻末にはなんとサブカル索引つき。日本国の扱いとしては、バトルロワイアルや五分後の世界のようなもの。中東とかとは違うけど、妙に危ない国、みたいな。肝心の内容としては、熱くなるべき部分がそうでなかったり、最後があまりに観念的で靄がかかったところでかかったまま、おおっと晴れることなく終わったーー。きれいにまとめてほしかったです。
[2006.12.02 01:29] | [b]ook |  TOP↑
[b] 氷菓
[氷菓] / 米澤穂信 / ★5+★ (いつかまた読むかも)

何事にも積極的に関わらない奉太郎が、姉の命令で入部させられた古典部で、部員の少女の叔父が関わった三十三年前に起きた事件の真相に迫る。省エネ少年と好奇心少女が繰り広げる青春ミステリー。

高校生の男子2人と女子2人がグループ交際しながら身近にある様々な謎を解いていくミステリ系ジュヴナイル。町や学校の歴史を調べていくうちに事件に巻き込まれたりってのは王道なんだけど、率直に言って羨ましいよね。フィクションに何を言ってるのって感じだけど。全編通して氷菓の謎が見え隠れしつつ最後にようやく解けるのだけど、肝心のオチ自体はうーん、かも。名探偵コナンでもこの類の見た気がするけどね。この続編の「愚者のエンドロール」が個人的にかなり気に入ってるので、そのプロローグとしてもアリ。
[2006.12.29 08:08] | [b]ook |  TOP↑
[b] オーデュボンの祈り
[オーデュボンの祈り] / 伊坂幸太郎 / ★5+0 (一度読めば十分かも)

コンビニ強盗に失敗した伊藤は、警察に追われる途中で意識を失い、見知らぬ島で目を覚ます。仙台沖に浮かぶその島は150年もの間、外部との交流を持たない孤島だという。そこで人間たちに崇拝されているのは、言葉を話し、未来を予知するというカカシ「優午」だった。しかしある夜、何者かによって優午が「殺害」される。なぜカカシは、自分の死を予測できなかったのか。「オーデュボンの話を聞きなさい」という優午からの最後のメッセージを手掛かりに、伊藤は、その死の真相に迫っていく。
嘘つきの画家、体重300キロのウサギさん、島の規律として殺人を繰り返す男「桜」。不可思議な登場人物たちの住む島は、不条理に満ちた異様な世界だ。一方、そんな虚構に比するように、現実世界のまがまがしい存在感を放つのが、伊藤の行方を執拗に追う警察官、城山である。本書が、荒唐無稽な絵空事に陥らないのは、こうした虚構と現実とが絶妙なバランスを保持し、せめぎあっているからだ。本格ミステリーの仕掛けもふんだんに盛り込みながら、時に、善悪とは何かという命題をも忍ばせる著者の実力は、ミステリーの果てしない可能性を押し開くものである。

あらすじ長げぇ。こんなお話です。トリックが案山子の特異性に強く依存していて、赤川次郎とか星新一あたりでもしかしたら見たことあるようなないような気がするけど、これはなかなか好き。寓話的なお話といろんなとこで言われてるみたいで、そのせいか登場人物の不必要なまでの多さが少し気になった。特に警官の城山の意義が多少びみょい。透明な(少し物足りない感のある)読後感を勧善懲悪の構図を無理矢理嵌め込むことで印象付けようとしたのかなぁ、とか穿ってしまいそう。
[2006.12.29 09:03] | [b]ook |  TOP↑
[b] 愚者のエンドロール
[愚者のエンドロール] / 米澤穂信 / ★5+★★★ (何度も読み返したいかも)

君しか、解けない――〈スニーカー・ミステリ倶楽部〉第4弾!
文化祭の準備に追われる古典部のメンバーが、先輩から見せられた自主映画。廃屋で起きたショッキングな殺人シーンで途切れたその映像に隠された真意とは!?ちょっぴりホロ苦系青春ミステリの傑作登場!

氷菓の古典部シリーズ第ニ弾。今回は殺人事件を解決する話です。かといって人の死なない話でもあります。劇中劇の殺人事件を解決するという話なので、人が死なないのは当たり前なのだけども、この人が死なないということが実は割と重要な要素の一つだったりしちゃう青春系メタミステリ。「三択問題、さて答えはAかBかCか」という問題に対し、「わかった、Dだ!」という回答を出した主人公に対する気の利いた展開は秀逸。メタ好きなの。めためた。
[2006.12.31 06:08] | [b]ook |  TOP↑
[b] 青空チェリー
[青空チェリー] / 豊島ミホ / ★5+★ (いつかまた読むかも)

入学して一ヶ月、うちの予備校の隣にラブホが建った。以来あたしは屋上からのぞきちゃんな日々。ゆるしてちょうだい、だってあたし18さい。発情期なんでございます…。明るい顔して泣きそな気持ちがせつない、三つのストーリー。第1回女による女のためのR‐18文学賞読者賞受賞作。

表題作を含む3篇。「ハニィ、空が灼けているよ」では男女の戦争観の差からくるすれ違いってのが言い感じに表現されている。男女というより個体差なのかも。男性と、女性と、好きな女性に戦場にいて欲しくない男性と、世界情勢をそこらへんのサラリーマンよりは理解してるつもりの女性と、アンテナの感度の鈍い男性と、エトセトラ。表題作は、屋上でそこには二人しかいないという、女性作家が書くセカイ系の特徴的なもののひとつ。春真っ盛りの男女がやることやろうとしてできなくて、そういう思い出ってのは確かに「あの頃ぼくらはチェリーだった」という上の立場から見ると「甘酸っぱい、ときどきほろ苦い」という青春の良い面ばかりに焦点をあてた結果のテンプレート的な感情を呼び起こすのかもしれないです。もう1篇は…わすれた!
[2007.01.02 03:55] | [b]ook |  TOP↑
[b] ナイフが町に降ってくる
[ナイフが町に降ってくる] / 西澤保彦 / ★5+★★ (また読む予感)

「謎が解けなければ時間は永遠に止まったままだ」何かに疑問を抱くと時が停止するという奇癖を持つ青年末統一郎の言葉に、女子高生真奈は逆上した。二人以外のすべての人間、物体は静止状態。そして謎とは、眼前でナイフを腹に突き立てて固まっている男。誰が、いつ犯行を?だが真相を探る二人は、町中でナイフの犠牲者を次々に発見。ナイフの雨が町を襲った?迷宮に陥ちた二人。はたして“時間牢”から脱出できるか…。前代未聞の設定で読者を翻弄する新本格推理の書下ろし傑作。

七回死んだ男、の西澤保彦の書き下ろし。あっちでは一日をループさせる能力、今作では時を止める能力と、不思議な力を持った主人公が、その能力の存在とは対照的にロジックで解決できるミステリ的な事件に巻き込まれるような話は氏の得意技と言ったところらしい。魔法があるから何でもありってわけではないのと同じ理屈。登場人物が少ない分、推理する要素は割と少なくミステリというよりはコメディーみたいな位置付けかもしれない。結末は、うーん、つまらなくはないけどある程度まで予想はできそう。それよりはむしろ、エピローグでの様子には少しゾクっとしてしまう部分が。
[2007.01.02 05:07] | [b]ook |  TOP↑
[b] GOTH―リストカット事件
[GOTH―リストカット事件] / 乙一 / ★5+★★ (また読む予感)

森野が拾ってきたのは、連続殺人鬼の日記だった。学校の図書館で僕らは、次の土曜日の午後、まだ発見されていない被害者の死体を見物に行くことを決めた…。触れれば切れるようなセンシティヴ・ミステリー。

腹の底にどす黒いものを抱えた頭のいい男の子と、似たような性質の女の子の2人がいろいろな事件に巻き込まれたり突っ込んだりするというもの。最近こういう類型が多いので、誰かセンスある人が名前とかつけててもおかしくない。この物語で何よりいいのは、ヒロインの森野夜。佇まいや記述からは頭がよく黒そうな印象を受けるのに、実はなかなか頭の弱い女の子というのは個人的につぼ。
基本的に面白い話が続くが、主人公の名前をわざわざ明示的に隠してトリックに使う点はには疑問符。せっかく面白いのに、わざわざそんなイマイチなトリックつかわなくても。
[2007.01.04 06:23] | [b]ook |  TOP↑
[b] 地獄のババぬき
[地獄のババぬき] / 上甲宣之 / ★5+★ (いつかまた読むかも)

卒業旅行のため、夜行バスで東京へと出発したしよりと愛子。旅行を満喫していた二人だったが、なんとバスジャック事件に巻き込まれてしまう。一方、深夜タクシーに乗っていたしよりの親友・弥生は、ラジオから流れる怪談話に耳を傾けていた。やがて話は現実を侵食し始め…。導かれるように、しよりと愛子に合流する弥生。バス車内では、犯人の命令により、命を堵けた“地獄のババぬき”が開始されようとしていた。

奇をてらっただけの山田悠介みたいな悪寒がしてたけど、そうじゃなくてなかなか爽快に読めた。一人称がくるくる変わったり、文章もちょっとおかしなところあったりで書き手の技能としては微妙なとこがあるかも、でも若手の人なので当然か。ババぬきが対象なので心理戦を謳っているけど、どっちかというと少年誌のバトルに近い。特に最終戦あたりはテンプレ的なキーワードでいうと「番長」「河原」「夕日」「殴り合い」「共倒れ」「握手」でした。身障者うんぬんのテーマはおしつけがましいのでいらない気が。でも、能力者が多数現れる理由付けに「身障者だから特殊能力がある」を使ってるなら仕方なかった。明治剣客浪漫譚の「盲剣の宇水」みたいにね。
[2007.01.05 06:53] | [b]ook |  TOP↑
[b] 数学的にありえない
[数学的にありえない] / アダム・ファウアー / ★5+★ (いつかまた読むかも)

巨大な陰謀に巻き込まれた天才数学者ケイン。窮地に追い込まれた彼の唯一最大の武器、
それは「確率的に絶対不可能な出来事」を実現させる能力だった----。
北朝鮮に追われるスパイ、謎の人体実験を続ける科学者、宝籤を当てた男、
難病の娘を持つ傭兵......随所に仕掛けられた伏線が次々に起爆、全ての物語は
驚愕の真相へと収束する----。

第一印象は「数学的に…?」。別に数学的にありえない話ではない。確率的にありえない、ならわかるけど。ダヴィンチ・コードが芸術とシオン修道会の薀蓄を語ったように、この話は数学の薀蓄を。ただ、ほとんど知ってる話だったのは残念。確率を自在に操れるようになった主人公がよくわからない組織に狙われます。主人公の能力(推理能力じゃなくて特殊能力ですが)に裏づけされた先を見越した行動は、デスノートの夜神月の「計画通り」的爽快感あり。下巻になってからだけど。味方の「勝てる確率は1%未満…!!」や、敵の「うひょひょ勝率は99%じゃい」が覆るのと同じような感覚。
「驚愕の真相」への収束の仕方はかなり無茶な感も。エンターテイメントなのだから無粋なことは言わず、スルーしておきます。
[2007.01.14 05:38] | [b]ook |  TOP↑
[b] 春期限定いちごタルト事件
[春期限定いちごタルト事件] / 米澤穂信 / ★5+★★ (また読む予感)

小鳩君と小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある高校一年生。きょうも二人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す。それなのに、二人の前には頻繁に謎が現れる。名探偵面などして目立ちたくないのに、なぜか謎を解く必要に迫られてしまう小鳩君は、果たしてあの小市民の星を掴み取ることができるのか?新鋭が放つライトな探偵物語、文庫書き下ろし。

同じ米澤氏の氷菓と似た、日常の謎を解いていく物語。例によって探偵役の主人公は一筋縄ではいかなさそうな性格。そして珍しく、相方の女の子のほうも、というかむしろこっちのほうがさらに一筋縄ではいかなさそうな性格。 中でも気に入った話は、「おいしいココアの作り方」。ここで問題を簡潔に記してしまうと、「おいしいココアとは、ココアの粉末を少量のホットミルクで溶いてペースト状にし、その後で任意の量のホットミルクを加えたもの」という定義があって「おいしいココアが3杯ある」「台所のシンクは濡れておらず、使用済みの容器は何もない」という状況をどうすれば達成できるかというもの。ホットミルクを作るには容器が必要なのに、その容器が見当たらない。ということは、使われた容器はココアが入ってるマグカップ? でもどうやって?
余談だけど、この表紙の色づかい、すごく大好き。
[2007.01.15 06:25] | [b]ook |  TOP↑
[b] 夏期限定トロピカルパフェ事件
[夏期限定トロピカルパフェ事件] / 米澤穂信 / ★5+★★★ (何度も読み返したいかも)

小市民たるもの、日々を平穏に過ごす生活態度を獲得せんと希求し、それを妨げる事々に対しては断固として回避の立場を取るべし。賢しらに名探偵を気取るなどもってのほか。諦念と儀礼的無関心を心の中で育んで、そしていつか掴むんだ、あの小市民の星を!そんな高校二年生・小鳩君の、この夏の運命を左右するのは“小佐内スイーツセレクション・夏”!?待望のシリーズ第二弾。

これは…続くのか? 米澤穂信の小市民シリーズ第2弾、夏です。 夏とはいっても、前作の春の次の季節ではなくて、どうやら1年後の夏。その間まったく2人に恋愛関係も何も進んでないようで、米澤氏のキャラクターはなかなか恋愛しないのなと再確認。 語りたい部分がネタバレであまり語れないのですが、とりあえず小佐内さんのキャラクターが黒くてとってもステキ、ということだけ。
[2007.01.15 06:56] | [b]ook |  TOP↑
[b] クラインの壷
[クラインの壷] / 岡嶋二人 / ★5+★ (いつかまた読むかも)

200万円でゲームブックの原作を、謎の企業イプシロン・プロジェクトに売却した上杉彰彦。その原作をもとにしたヴァーチャルリアリティ・システム『クライン2』の制作に関わることに。美少女・梨紗と、ゲーマーとして仮想現実の世界に入り込む。不世出のミステリー作家・岡嶋二人の最終作かつ超名作。

ときは1989年。いろんな人が先見の明が光ると評してるけど概ね同意。現実と見分けがつかない精度の仮想現実モノ。ってことはオチは…?って予想できそうだけど、それだけじゃなかったのでよかったかと。古臭さを感じないのもよかった。携帯電話はないけど。こういうのってケータイがあるととたんに難しくなりそです。
[2007.01.21 22:02] | [b]ook |  TOP↑
[b] 阿修羅ガール
[阿修羅ガール] / 舞城王太郎 / ★5+★ (いつかまた読むかも)

アイコは金田陽治への想いを抱えて少女的に悩んでいた。その間に街はカオスの大車輪!グルグル魔人は暴走してるし、同級生は誘拐されてるし、子供たちはアルマゲドンを始めてるし。世界は、そして私の恋はどうなっちゃうんだろう?東京と魔界を彷徨いながら、アイコが見つけたものとは―。三島由紀夫賞受賞作。受賞記念として発表された短篇「川を泳いで渡る蛇」を併録。

ものすごいノンストップで離陸して、やっばいこれちゃんと着陸できるのかな、不時着するんじゃ、とか思ったら空中で二回転して爆発したーー、けど死傷者ゼローーーとかそんなような話。人によっては新感覚とか表現しそう。新感覚ナタデココグミ!とか、売ってますよね。あれは新食感な気もするけど。
なんか侍魂を思い出した。いや、話の内容とはまったく関係なくて、フォントサイズ7だからとかそういう理由。
[2007.01.22 09:36] | [b]ook |  TOP↑
[b] ガールズ・ブルー
[ガールズ・ブルー] / あさのあつこ / ★5+★★ (また読む予感)

落ちこぼれ高校に通う理穂、美咲、如月。十七歳の誕生日を目前に理穂は失恋。身体が弱く入院を繰り返す美咲は同情されるのが大嫌い。如月は天才野球選手の兄・睦月と何かと比較される。でもお構いなしに、それぞれの夏は輝いていた。葛藤しながら自分自身を受け入れ愛する心が眩しい、切なくて透明な青春群像小説。

主人公の女の子のスレ具合がすごくちょうどよくて心地よい。どっかにいそうな高校生のありがちな日常。猫を殺した変質者は捕まったかわからない、身体が弱くていつまで生きられるかわからないと言われ続けている親友は今日もしぶとく生きてる、寿命が近いうちの犬は元気がないけどまだほんの少しは大丈夫そう、幼なじみは甲子園直前まで行ったらしいけどあたしにはよくわからない。なんかやっぱり大したことなかった今日の物語なんだけど、なんかすっごい儚いの。人の夢と書いて儚い。病弱な女の子がそういう儚さを匂い立たせてるんだろうけど、それだけではなさそう。全然関係ないけどさ、病弱少女って、安易な設定で書かれるとほんといらっとくるよね。
[2007.01.24 06:16] | [b]ook |  TOP↑
[b] 黒猫の三角
[黒猫の三角] / 森博嗣 / ★5+★ (いつかまた読むかも)

1年に一度決まったルールの元で起こる殺人。今年のターゲットなのか、6月6日、44歳になる小田原静子に脅迫めいた手紙が届いた。探偵・保呂草は依頼を受け「阿漕荘」に住む面々と桜鳴六画邸(おうめいろっかくてい)を監視するが、衆人環視の密室で静子は殺されてしまう。

実はずっと前に読みました。動機が「天才の動機はよくわからない」で説明されておわり。こういうの西尾維新も好きだよね。流行ってるの? はじめて本格的な叙述トリックに触れた作品なので、とても印象に残っています。クロネッカーのデルタにはやられたと思った。びくんびくん。
[2007.01.28 23:44] | [b]ook |  TOP↑
[b] 笑わない数学者
[笑わない数学者] / 森博嗣 / ★5+★★ (また読む予感)

偉大な数学者、天王寺翔蔵博士の住む「三ツ星館」。そこで開かれたパーティの席上、博士は庭にある大きなオリオン像を消してみせた。一夜あけて、再びオリオン像が現れた時、2つの死体が発見され…。犀川助教授と西之園萌絵の理系師弟コンビが館の謎と殺人事件の真相を探る。

物語に入る前にある館の図のせいで、おそらく一度似たようなトリックを読んだことがある人なら誰でもすぐにオリオン座の謎は解けてしまうのではないかと思います。ほら、空の境界とかでも。そういう部分を地動説に掛けているのはちょっとすげーと思った。めたとりっく。Web参照のこと。
あと、トリック以外の部分でも数学やらの話で興味深いところがあったのはさすが現役助教授かと。一番興味深かったのは最後の老人と少女の話。客観的に閉曲線の内側と外側の概念を定義するのは、無限に続く平面では可能だけど、球面上やトーラス上では不可能という話。だって球面で閉曲線を作ったら二つの領域に分かれるだけだもの。そこに内側と外側を定義するためには、自分がどっちにいるかで定義するしかないとか。あと、パズルとかもありました。個人的にはいろいろあって満足。もしも本格推理小説としてみるならもちろん微妙。
[2007.01.29 00:19] | [b]ook |  TOP↑
[b] 向日葵の咲かない夏
[向日葵の咲かない夏] / 道尾秀介 / ★5+★ (いつかまた読むかも)

明日から夏休みという終業式の日、小学校を休んだS君の家に寄った僕は、彼が家の中で首を吊っているのを発見する。慌てて学校に戻り、先生が警察と一緒に駆け付けてみると、なぜか死体は消えていた。「嘘じゃない。確かに見たんだ!」混乱する僕の前に、今度はS君の生まれ変わりと称するモノが現れ、訴えた。―僕は、殺されたんだ。半信半疑のまま、僕と妹・ミカはS君に言われるままに、真相を探る調査を開始した。

一人称と三人称が章ごとに変わり読みづらい。でもそうじゃないと意味がないというあたりはFF7を彷彿と。ペドフィリア・近親相姦・動物虐待、気持ち悪いものが溢れたファンタジーの世界でミステリーする話。どこがファンタジーかというと「死んだ生き物は7日経つと別の生き物として生き返る」という変則ルール。このせいでますます話がわからなくなる。そんな叙述トリックだらけ。いい意味で、気持ち悪い。もっかい読まないと、って思ってたら図書館の返却期限がきたという悲しい過去がありました。
[2007.02.21 14:30] | [b]ook |  TOP↑
[b] マルドゥック・スクランブル
[マルドゥック・スクランブル] / 冲方丁 / ★5+★★★★ (推薦したいかも)

なぜ、私なの?―賭博師シェルの奸計により、少女娼婦バロットの叫びは爆炎のなかに消えた。瀕死の彼女を救ったのは、委任事件担当官にしてネズミ型万能兵器のウフコックだった。高度な電子干渉能力を得て蘇生したバロットはシェルの犯罪を追うが、その眼前に敵方の担当官ボイルドが立ち塞がる。それは、かつてウフコックを濫用し、殺戮のかぎりを尽くした男だった…弾丸のごとき激情が炸裂するシリーズ全3巻発動。

全編熱いのですが、何が本当に熱いかっていうと2巻から始まるカジノでの戦い。ギャンブルといえばまずカイジの福本伸行が浮かぶ人がたくさんいそうだけど、計算しつくされたゴールへ向かうという意味ではカイジより洗練されていて熱い。ただ、もうこの人にカジノの戦いは書けないんじゃないかな。それくらいすごい。
この話で印象に残ったのがドクターの発言で、ざっとニュアンスだけを掬い取ると「A,Bの2枚のカードがあって1枚をめくってAだったなら残りは必ずB。ところがA,B,Cの3枚のカードがあって1枚をめくってAだったとしても人間には原理的に残りのカードの1枚すら決定することができない」という話。言われてみれば当然だけど、これを「二体問題(水素原子と電子1個の系)は解けるが、三体問題(水素原子と電子2個の系、電子と電子の間の静電気力が邪魔)は厳密には解けない」と言い換えると、なんか深淵な気がしませんか? しませんか…。
とにもかくにも、オススメ。続編のマルドゥック・ヴェロシティも、ただの能力者バトルだろって思ってたら熱かった。でも、人は選ぶのかもしれません。
[2007.02.22 18:34] | [b]ook |  TOP↑
[b] かてきょ!
[かてきょ!] / 小川康弘 / ★5+0 (一度読めば十分かも)

カルト文芸誌「少年文芸」で発表後、各方面で賞賛の嵐。可笑しくてバカバカしくて、なぜかあたたかい、ノベライズコント。

ラーメンズと同じ所属事務所の芸人が書いたコメディ。ライトな文体は間違った方向に進んだ児童書のような感じ。アクセントにはいいけど、それが続くと辟易。小学生なシモネタや、間違ったシモネタの暴走っぷりはありだと思う。ありだと思うけど。
[2007.03.15 14:07] | [b]ook |  TOP↑
[b] 夜のピクニック
[夜のピクニック] / 恩田陸 / ★5+★★★★ (推薦したいかも)

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために―。学校生活の思い出や卒業後の夢などを語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。

すごい。今までに読んだ恩田陸作品の中で格が違う。説明が難しいので是非読んでもらいたいところだけど、むりやりがんばって説明すると、恋愛が主軸だときっと元カレ元カノがでてきてその過去の話やら必要になってまどろっこしく野暮ったくなるのが、家族を主軸にしたことでその存在だけでエピソードになってる。かといって、お涙ちょうだいな家族モノってわけでもないあたりがとても、いい。
ひたすら歩くという設定だけならスティーブンキングの死のロングウォークを思い出したけど、大丈夫、ぜんぜん違った。あの話はとてつもなくバトルロワイアルですもの。
[2007.03.15 17:24] | [b]ook |  TOP↑
[b] 推理小説
[推理小説] / 秦建日子 / ★5+0 (一度読めば十分かも)

会社員、高校生、編集者…面識のない人々が相次いで惨殺された。事件をつなぐのは「アンフェアなのは、誰か」と書かれた本の栞のみ。そんな中、出版社に届けられた原稿には事件の詳細と殺人予告、そして「事件を防ぎたければ、この小説の続きを落札せよ」という要求が書かれていた…最注目作家、驚愕のデビュー作。

ドラマ・アンフェアの原作。「推理小説としての条件を満たしていなくても推理小説といえるのか」的な問いを投げかけつつも、普通のミステリ。もっとメタミステリしようぜ。キャラクターも無駄に立てようとして失敗してるし、これはきっとドラマのためなんだろうけども。
[2007.04.22 22:18] | [b]ook |  TOP↑
[b] 99%の誘拐
[99%の誘拐] / 岡嶋二人 / ★5+★ (いつかまた読むかも)

緊迫度MAXIMUM(マキシマム)!空前絶後の完全犯罪
末期ガンに冒された男が、病床で綴った手記を遺して生涯を終えた。そこには8年前、息子をさらわれた時の記憶が書かれていた。そして12年後、かつての事件に端を発する新たな誘拐が行われる。その犯行はコンピュータによって制御され、前代未聞の完全犯罪が幕を開ける。第10回吉川英治文学新人賞受賞作!

とりあえず感じたのは「や、夜神月がいる…!!」ってことでしょうか。あんな無様な死に方をしたライト君ですが、こんなところでまだ彼の意思は息づいていました。もっともライバルのLにあたる存在がいないので、あまりそういう疾走感、いや疾走感はあるか、緊張感がなかったり。 ちょっと古臭さを感じたのは「アスカの秘宝」という作中に登場するゲームの名前。なんだか、ノスタルジーです。
物語としては、ひとつひとつは90%くらいの確率でおきる事象でも、そういうのが100個続く確率ってのは残念ながらほとんど0である、っていう事実をフィクションとしてガン無視。amazonレビューの誰かが、「99%の誘拐というのは、99%で失敗する誘拐という意味だ」と評していて、なるほどとと思いましたが、99%どころじゃないよね。
[2007.04.22 22:20] | [b]ook |  TOP↑
[b] ネバーランド
[ネバーランド] / 恩田陸 / ★5+0 (一度読めば十分かも)

舞台は、伝統ある男子校の寮「松籟館」。冬休みを迎え多くが帰省していく中、事情を抱えた4人の少年が居残りを決めた。ひとけのない古い寮で、4人だけの自由で孤独な休暇がはじまる。そしてイブの晩の「告白」ゲームをきっかけに起きる事件。日を追うごとに深まる「謎」。やがて、それぞれが隠していた「秘密」が明らかになってゆく。驚きと感動に満ちた7日間を描く青春グラフィティ。

夜のピクニックが好きならこれはどうよ、といった感じで薦められた本作。正直、かなり期待して読んだのですが比較対象と比べるとかなり微妙…、あっちがすごすぎたってのもあるけれど。ホラーやミステリー要素を組み込んだ青春もの。4人の男の子がそれぞれの秘密を告白したりして過ごしていくのですが、途中で出た「告白の際は一個だけ嘘を混ぜる」という設定に期待しすぎました。だって、嘘混ぜるとかすごく素敵やん…。
[2007.04.24 20:13] | [b]ook |  TOP↑
[b] アヒルと鴨のコインロッカー
[アヒルと鴨のコインロッカー] / 伊坂幸太郎 / ★5+★★ (また読む予感)

引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は―たった一冊の広辞苑!?そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ!注目の気鋭が放つ清冽な傑作。第25回吉川英治文学新人賞受賞作。

これは映画化は無理だろう! 物語は現在と過去の二本の軸で進み、物語全体を覆う事件は過去に起きていてその余波だけが現在に残っているという雰囲気はとても好み。現在は消化試合でしかないという感覚。主人公は当然この物語の主人公なんだけど、登場人物たちの物語の主人公ではなく脇役でしかないという無常観、すごくいいです。
どうでもいいことだけど、amazonから引っ張ってきた商品説明の「なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ!」というくだりがとてもヤマジュンを彷彿とさせる気がする。どうでもよくてごめん。
[2007.04.24 20:17] | [b]ook |  TOP↑
プロフィール
  • 書いてる人:テ
  • モラトリアム6年生。
    アジアの青いアレ所属。
    睡眠欲の権化です。
セカ徒歩
  • 更新頻度だけがアイデンティティのブログです。ログ流れはやいよ。
書籍の評価
  • ★5 一度読めば十分
  • ★6 いつか読むかも
  • ★7 また読む予感
  • ★8 何度も読み返したい
  • ★9 推薦したい
  • ★10 神本
★5+★★★★
★5+★★★