[b] 檸檬のころ
[檸檬のころ] / 豊島ミホ / ★5+★★ (また読む予感)

いっそ痛いと思った、その痛みだけは思い出せた。かっこ悪くて、情けなくて、でも忘れられない瞬間がある。田んぼと山に囲まれた、コンビニの一軒もない田舎の県立高校を舞台に綴る、青春の物語。

田舎の高校生の受験オムニバス。高校生活をコントラストの意味で彩るのは受験だよねーと思う。受験という灰色の感覚があるからこそ、あんなに甘酸っぱい恋愛ごとや文化祭とかが凄く映えてさ、いつまでも美化された思い出として残るんだよね、きっと。タイトルの檸檬からしてすっぱそうな感じですが、おおよそにおいてすっぱいです。きゃー。
[2007.04.26 22:49] | [b]ook |  TOP↑
[b] 殺戮にいたる病
[殺戮にいたる病] / 我孫子武丸 / ★5+0 (一度読めば十分かも)

永遠の愛をつかみたいと男は願った――東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。犯人の名前は、蒲生稔! くり返される凌辱の果ての惨殺。冒頭から身も凍るラストシーンまで恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、とらえようのない時代の悪夢と闇を鮮烈無比に抉る衝撃のホラー。

猟奇殺人モノ。グロと倒錯のひとひねりあり。事件自体の気持ち悪さもなかなかのものですが、事件に関わる家族のそれぞれのスタンスというのも嫌悪感を誘います。そういう意味では成功してそう。ただ、個人的には好きじゃなかった。っていうと実も蓋もないけども。
[2007.05.05 21:42] | [b]ook |  TOP↑
[b] 塩の街―wish on my precious
[塩の街―wish on my precious] / 有川浩 / ★5+0 (一度読めば十分かも)

塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。塩は着々と街を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた。その崩壊寸前の東京で暮らす男と少女。男の名は秋庭、少女の名は真奈。静かに暮らす二人の前を、さまざまな人々が行き過ぎる。あるときは穏やかに、あるときは烈しく、あるときは浅ましく。それを見送りながら、二人の中で何かが変わり始めていた。そして―「世界とか、救ってみたいと思わない?」。そそのかすように囁く男が、二人に運命を連れてくる。第10回電撃ゲーム小説大賞・大賞受賞作。圧倒的な筆力で贈るSFラブ・ファンタジー。

前半は塩に滅ぼされそうな世界の描写、後半は「たったひとつの恋に世界の運命を懸けてもいいんじゃない?」というスタンスで進んでいくセカイ系モノ。なんとなく、「イリヤの空、UFOの夏」に似た空気も感じたり。イリヤは相当面白かったですけども。
[2007.05.05 21:59] | [b]ook |  TOP↑
[b] 凍りのくじら
[凍りのくじら] / 辻村深月 / ★5+★★★★ (推薦したいかも)

藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う一人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすとき―。

頭もよくかわいい女子高生が、痛い男から離れられない痛いシチュだけで既に痛々しくて大好きって思ってたら全然それだけじゃなかった。大切な人との別れが物語の終点じゃないのも好き。すこし不思議な物語なのも予定調和とはいえ、美しい。いいなぁ、これ。文章うまいし。
[2008.11.19 21:37] | [b]ook |  TOP↑
[b] 六枚のとんかつ
[六枚のとんかつ] / 蘇部健一 / ★5+★ (いつかまた読むかも)

第3回メフィスト賞のとんでもミステリー
呆れるか、笑うか? ギャグと謎解きの革命的コラボレーション!!

空前絶後のアホバカ・トリックで話題の、第3回メフィスト賞受賞作がついに登場!新作『五枚のとんかつ』も併録。またノベルス版ではあまりに下品だという理由でカットされた『オナニー連盟』もあえて収録した、お得なディレクターズ・カット版。トリックがバレないように、必ず順番にお読みください。

頭が痛い。ばか。しょうもなさすぎていい。好きなトリックは表題作と、丸ノ内線七十秒の壁。前者は有名なトリックのパロディらしく、金田一少年の事件簿でもインスパイアされてましたね。当時このトリックは驚愕したもの。でも全編しょうもないです。ほんとに。
[2008.11.19 21:42] | [b]ook |  TOP↑
[b] チーム・バチスタの栄光
[チーム・バチスタの栄光] / 海堂尊 / ★5+★★ (また読む予感)

第4回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、一気に28万部突破のベストセラー入りを果たした大人気メディカル・エンターテインメントが、ついに文庫化です。東城大学医学部付属病院の有能な心臓手術チームに起こった、連続術中死の謎を追う医療ミステリー。万年講師の窓際医師・田口公平と、厚生労働省からやってきた変人役人・白鳥敬輔の掛け合いが圧倒的に面白いと大評判になりました。脇を固めるキャラクターも個性派ばかり。コミカルなやりとりと、リアルな医療現場の描写は、現役医師である著者にしか描くことができません。新作を次々に発表し、人気作家としての地位を確立しつつある著者・海堂尊の原点が、このデビュー作に詰まっています。

手術室を舞台とした連続殺人事件。心地よく読めるスピード感が好きです。が、映画では田口先生が女性になってるのがとっても気に食わないのです。
[2008.11.21 21:22] | [b]ook |  TOP↑
[b] ナイチンゲールの沈黙
[ナイチンゲールの沈黙] / 海堂尊 / ★5+★ (いつかまた読むかも)

第4回「このミス大賞」受賞作で300万部を突破した大ベストセラー『チーム・バチスタの栄光』の続編が登場します。大人気、田口・白鳥コンビの活躍再び! 今度の舞台は小児科病棟。病棟一の歌唱力を持つ看護師・浜田小夜の担当患児は、眼の癌――網膜芽腫の子供たち。眼球摘出をせざるをえない彼らに心を痛めた小夜は、患児のメンタルケアを不定愁訴外来担当の田口公平に依頼し、小児愚痴外来が始まった。

あと何日で死ぬか知っているかのような歌姫に、自分の歌に映像を乗せられる特殊能力を持つ歌姫、そんなぷちファンタジー。でも前作と比べるとだいぶ力不足かなぁ。次回作と合わせて読むと面白いよ、と友人に言われたのでそれまで期待してみることにします。
[2008.11.21 21:30] | [b]ook |  TOP↑
[b] となり町戦争
[となり町戦争] / 三崎亜記 / ★5+★★★ (何度も読み返したいかも)

現代的戦争の恐怖。
ある日、突然に始まった隣接する町同士の戦争。公共事業として戦争が遂行され、見えない死者は増え続ける。現代の戦争の狂気を描く傑作。文庫版のみのボーナストラック短編を収録。小説すばる新人賞受賞作品。

表には無機質なただの情報としてしか出てこなくて、誰にも実感できてないけど、戦争は起きている。空襲もないし、大規模な戦争はないけど、人は死んでいる。この気持ち悪さがね、すごくここちいいんです。ひぐらしのなく頃にを思い出した、って言ったら鬼隠し編までしかやってない友人に全否定されました。
[2008.11.21 22:01] | [b]ook |  TOP↑
[b] 太陽の塔
[太陽の塔] / 森見登美彦 / ★5+★★ (また読む予感)

私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三回生の時、水尾さんという恋人ができた。毎日が愉快だった。しかし水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった!クリスマスの嵐が吹き荒れる京の都、巨大な妄想力の他に何も持たぬ男が無闇に疾走する。失恋を経験したすべての男たちとこれから失恋する予定の人に捧ぐ、日本ファンタジーノベル大賞受賞作。

非モテ京大生たちの奔走を描いた物語。文章はこってり系と言われることが多いけど、不快じゃない。一昔前のテキストサイト界が総じて好きそうなテーマと展開。文章力は比較にならないけど。なんだか、懐かしいです。
[2008.12.01 22:22] | [b]ook |  TOP↑
[b] 容疑者Xの献身
[容疑者Xの献身] / 東野圭吾 / ★5+★★★★ (推薦したいかも)

数学だけが生きがいだった男の純愛ミステリ
天才数学者でありながらさえない高校教師に甘んじる石神は愛した女を守るため完全犯罪を目論む。湯川は果たして真実に迫れるか

これだけタイトルが中身を表してる作品も珍しい。P≠NP問題のくだりは数学っぽさのくだらない演出かと思ったら実は本質。最後の展開は泣きそうになりましたし、鳥肌も。最近涙腺ゆるいなぁ!
[2008.12.02 22:53] | [b]ook |  TOP↑
[b] 子どもたちは夜と遊ぶ
[子どもたちは夜と遊ぶ] / 辻村深月 / ★5+★★★ (何度も読み返したいかも)

大学受験間近の高校三年生が行方不明になった。家出か事件か。世間が騒ぐ中、木村浅葱(あさぎ)だけはその真相を知っていた。「『i』はとてもうまくやった。さあ、次は、俺の番ーー」。姿の見えない『i』に会うために、ゲームを始める浅葱。孤独の闇に支配された子どもたちが招く事件は、さらなる悲劇を呼んでいく。

とあるゲームの話をしてるときに、この本も似てるかもって言われてみれば読んだ本。欲をいえばネタバレなしで読みたかった! 独断と偏見で俺が選ぶ2008年エロい作家(性的な意味じゃなくて)(じゃあどういう意味よ)第一位です、いまのところ。初めて読んだの11月なのに!
[2008.12.03 12:28] | [b]ook |  TOP↑
[b] 冷たい校舎の時は止まる
[冷たい校舎の時は止まる] / 辻村深月 / ★5+★★ (また読む予感)

雪降るある日、いつも通りに登校したはずの学校に閉じ込められた8人の高校生。開かない扉、無人の教室、5時53分で止まった時計。凍りつく校舎の中、 2ヵ月前の学園祭の最中に死んだ同級生のことを思い出す。でもその顔と名前がわからない。どうして忘れてしまったんだろう―。第31回メフィスト賞受賞作。

レベルEの熱闘!!甲子園編と同じ現象がテーマ。登場人物の描き方が毎回のことだけど秀逸だなと思わされます。叙述罠あり。著者の名前と同じ登場人物がいるのはちょっと違和感です。よっぽど著者にとって大事な大事なお話だったのかな。
[2008.12.29 12:52] | [b]ook |  TOP↑
[b] 夜は短し歩けよ乙女
[夜は短し歩けよ乙女] / 森見登美彦 / ★5+★★★ (何度も読み返したいかも)

鬼才モリミが放つ、キュートでポップな片想いストーリー!
「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。二人を待ち受けるのは奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々、そして運命の大転回だった!

太陽の塔のくどい文体は超健在で、本作の主人公は向こうの男の子より多少マシに見えるだけで似た感じの男の子。あと乙女。途中までこの乙女は水尾さんなんじゃないかって思いながら読んでました。正直きゅんときた。あと、なんか舞台設定がすごく雰囲気がいいのです。京都の町並みと、どこか妖しを彷彿とさせる登場人物。
[2008.12.29 12:59] | [b]ook |  TOP↑
[b] ジェネラル・ルージュの凱旋
[ジェネラル・ルージュの凱旋] / 海堂尊 / ★5+★★ (また読む予感)

第4回『このミス』大賞受賞作&28万部突破の『チーム・バチスタの栄光』、15万部のベストセラー『ナイチンゲールの沈黙』に続く、大人気・田口&白鳥シリーズ第3弾の舞台は、救命救急センター。
医療問題、収賄事件、大災害パニック…あらゆる要素がつまった、
シリーズ最高傑作のメディカル・エンターテインメント!

あ、うん。面白かった。けど、もうミステリー何も関係なくなってるよね! メディカル・エンターテインメントって紹介されてるし。
[2008.12.29 13:04] | [b]ook |  TOP↑
[b] 「クロック城」殺人事件
[「クロック城」殺人事件] / 北山猛邦 / ★5+0 (一度読めば十分かも)

2002年、第24回メフィスト賞を受賞した作者のデビュー作。受賞当時22歳。「『城』シリーズ」の第1作目。
ノベルス版では、トリックを図解した謎解き部分が袋とじにされ、帯には「本文208頁の真相を他人に喋らないでください」などと注意書きがされた。ミステリ作家の有栖川有栖が文庫版の巻末解説をしており、本作を「ブレイク前の習作などではない本格ミステリ」と絶賛している。

いろんな要素を混ぜ込みすぎて、すっきりしなくなさすぎてます。大掛かりなあのトリックはだいぶ好みなんだけどなー。
[2008.12.29 13:15] | [b]ook |  TOP↑
[b] 極限推理コロシアム
[極限推理コロシアム] / 矢野龍王 / ★5+0 (一度読めば十分かも)

夏の館と冬の館に強制的に集められた男女に「主催者」は命じる。「今から起きる殺人事件の犯人を当てよ」。被害者は彼らの中から選ばれていき、しかも、もう一つの館より早く犯人を当てなければならない。不正解の代償は館に残る全員の「死」―。矢野龍王、待望の文庫初登場!第三十回メフィスト賞受賞作品。

クローズドサークルの(主催者に用意された)犯人当てゲーム。状況がかなり無理ゲー的でご都合的展開がなければそもそもクリア不可能っぽいってのはどうなのさと思う。真相はかなりいいと思うんだけど、それを登場人物に与えるためのヒントが人名に由来ってのはあまりにも古典的すぎるんじゃないのさと思う。
[2008.12.29 13:24] | [b]ook |  TOP↑
[b] 本格推理委員会
[本格推理委員会] / 日向まさみち / ★5+★ (いつかまた読むかも)

次世代青春小説&ミステリ、ここに登場!
小・中・高校の一貫教育学校の音楽室に、死んだはずの女性が現れたとの噂が。学園の理事長は、探偵の素質を持った少年・少女を選抜、本格推理委員会を設立し、事件解決を命じるが、事件は意外な方向へと向かい……!

この妹、いいですよ。
[2008.12.29 13:30] | [b]ook |  TOP↑
[b] 十角館の殺人
[十角館の殺人] / 綾辻行人 / ★5+★ (いつかまた読むかも)

半年前、凄惨な四重殺人の起きた九州の孤島に、大学ミステリ研究会の7人が訪れる。島に建つ奇妙な建物「十角館」で彼らを待ち受けていた、恐るべき連続殺人の罠。生きて残るのは誰か?犯人は誰なのか?鮮烈なトリックとどんでん返しで推理ファンを唸らせた新鋭のデビュー作品。

91年の作品。「綾辻以後」という言葉が生まれたほどセンセーショナルだったそうな。大どんでん返しの一行があるのですが、その一行だけが浮かび上がるように改ページが調整されてるのが地味にくやしいびくんびくん。登場人物にはさして魅力がなく、こういうのを本格って言うのかなーといまさらしみじみ思ってみました。
[2008.12.29 13:41] | [b]ook |  TOP↑
[b] MAZE
[MAZE] / 恩田陸 / ★5+0 (一度読めば十分かも)

アジアの西の果て、白い荒野に立つ矩形の建物。いったん中に入ると、戻ってこない人間が数多くいると伝えられている。その「人間消失のルール」とは?謎を解き明かすためにやってきた4人の男たちは、果たして真相を掴むことができるのか?異国の迷宮を舞台に描かれる、幻想的な長編ミステリー。

なんというか、一言で表すと「拍子抜け」。論理で説明したいのか、不思議は不思議のままにしておきたいのか、なんだかはっきりしなくてもにょい感じでありますよ。
[2008.12.29 13:50] | [b]ook |  TOP↑
[b] グラスホッパー
[グラスホッパー] / 伊坂幸太郎 / ★5+★ (いつかまた読むかも)

「復讐を横取りされた。嘘?」元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。それぞれの思惑のもとに―「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説。

伊坂スタンダードといった感じ。いつもどおりに台詞は気が利いてて、悪人は死ぬ。悪党たちは集まって交わって最後には死んだりそれぞれの道に戻ったり。読後感さわやか。
[2008.12.29 14:08] | [b]ook |  TOP↑
[b] 砂漠
[砂漠] / 伊坂幸太郎 / ★5+★ (いつかまた読むかも)

麻雀、合コン、バイトetc……普通のキャンパスライフを送りながら、「その気になれば俺たちだって、何かできるんじゃないか」と考え、もがく5人の学生たち。社会という「砂漠」に巣立つ前の「オアシス」で、あっという間に過ぎゆく日々を送る若者群像を活写。日本全国の伊坂ファン待望、1年半ぶりの書き下ろし長編青春小説!

伊坂にしては珍しい青春小説です。伏線の回収があだち充のタッチを思い出させて、少し鳥肌がたちました。
[2008.12.29 14:11] | [b]ook |  TOP↑
[b] クリムゾンの迷宮
[クリムゾンの迷宮] / 貴志祐介 / ★5+★★★ (何度も読み返したいかも)

藤木はこの世のものとは思えない異様な光景のなかで目覚めた。視界一面を覆う、深紅色の奇岩の連なり。ここはどこだ?傍ら携帯用ゲーム機が、メッセージを映し出す。「火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された」

高2か高3のときに読んで以来ときどき読み返してます。FSビスケットと缶ビールについたドクロのマークがすごく不気味で、なんだろうね、さらりと怖いこと書きやがった! みたいな。当時読んでるときに相川七瀬の恋心をエンドレスで流していたせいで、今でも恋心を聴くたびにこの話を思い出してなんだか読みたくなります。
[2009.01.12 03:22] | [b]ook |  TOP↑
[b] 独白するユニバーサル横メルカトル
[独白するユニバーサル横メルカトル] / 平山夢明 / ★5+★★ (また読む予感)

凝視せよ。ここにあるのは宝石だ。生理的嫌悪と、終わることのない暴力の果てに、名状しがたい感動が待っている、異形の物語たち。日本推理作家協会賞を受賞した表題作を含め8編を収録した短編集。

このミステリーがすごい!2007年度第1位。ミ、ミステリーだと…? ミステリーではないような気がしますが。とっても。文庫本が出たので読んでみましたよ。東京伝説という「怖いのは幽霊より人間」というテーマで書かれた俗に言う都市伝説モノも書いてますが、正直こんなに文章力のある方だとは思ってなかった。匂い立つようなグロ描写には注意。徹頭徹尾、鬼畜で、グロくて、ドSです。でも読後感は爽やかだからすごい。ごめん、最後のは超ウソ。
[2009.01.12 03:31] | [b]ook |  TOP↑
[b] 肩胛骨は翼のなごり
[肩胛骨は翼のなごり] / デイヴィッド・アーモンド / ★5+★ (いつかまた読むかも)

引っ越してきたばかりの家。古びたガレージの暗い陰で、ぼくは彼をみつけた。ほこりまみれでやせおとろえ、髪や肩にはアオバエの死骸が散らばっている。アスピリンやテイクアウトの中華料理、虫の死骸を食べ、ブラウンエールを飲む。誰も知らない不可思議な存在。彼はいったい何?命の不思議と生の喜びに満ちた、素晴らしい物語。カーネギー賞、ウィットブレッド賞受賞の傑作。

翼をもつものだけど、天使じゃない。灰羽連盟から、かわいいものときれいなものを抜いたようなイメージ。天使っぽいくせに、虫の死骸を食うなんて発想が俺には出てこないです。翼が生えている鳥は、虫の死骸を食べるのにね。宮崎駿がなんか帯で誉めてたのを覚えてるけど、言われてみればトトロとすごい似たプロットではあるよね。
[2009.02.12 15:22] | [b]ook |  TOP↑
[b] レベル7
[レベル7] / 宮部みゆき / ★5+★ (いつかまた読むかも)

レベル7まで行ったら戻れない―。謎の言葉を残して失踪した女子高生。記憶を全て失って目覚めた若い男女の腕に浮かび上がった「Level7」の文字。少女の行方を探すカウンセラーと自分たちが何者なのかを調べる二人。二つの追跡行はやがて交錯し、思いもかけない凶悪な殺人事件へと導いていく。ツイストに次ぐツイスト、緊迫の四日間。気鋭のミステリー作家が放つ力作長編。

レベル7という表現と、途中で出てくる「嫌な事件だったね」という台詞がまるでひぐらしだと薦めてくれた人が言うておりました。不思議な状況に説明はつくけれど、なんだか後半にいけばいくほど迫力にかける印象がちょっともったいない気がしました。
[2009.02.17 00:46] | [b]ook |  TOP↑
[b] 左90度に黒の三角
[左90度に黒の三角] / 矢野龍王 / ★5+0 (一度読めば十分かも)

「館で演じられた殺人劇を、証言者と話せるモニターとPCが設置された監禁部屋で推理せよ。正解ならば最大2人を解放、不正解ならば殺害」大富豪の老女に監禁された男女10人が繰り広げる推理ゲーム。狂気を孕む老女の言動、薬物中毒少女の奇妙な証言、PCにあった「左90度に黒の三角」という言葉から真相を見抜けるのか!?究極のデスゲームミステリー開幕。

オチが、オチが…あまりにも…。そして、とっても無理ゲーでした。もうちょっと、こう、なんとか。
[2009.02.17 00:52] | [b]ook |  TOP↑
[b] 神のロジック 人間のマジック
[神のロジック 人間のマジック] / 西澤保彦 / ★5+★ (いつかまた読むかも)

ここはどこ?何のために?世界中から集められ、謎の“学校”で奇妙な犯人当てクイズを課される〈ぼくら〉。やがてひとりの新入生が〈学校〉にひそむ“邪悪なモノ”を目覚めさせたとき、共同体を悲劇が襲う―。驚愕の結末と周到な伏線とに、読後、感嘆の吐息を漏らさない者はいないだろう。傑作ミステリー。

不思議な学園の謎をみんなで間違ったり寄り道しながら解いていく雰囲気がすごくいいのだけど、最後の大トリックは、うんもちろんすごいんだけども、妙な気持ち悪さに溢れてて読後感がうぇぇって感じだったのを覚えていて、再読できていません。全然関係ないけど、同じレーベルからほぼ同時期に出た別の作品とトリックがかぶってるらしくてそれはどうなのっていう話がネットにたくさんありました。
[2009.03.04 17:18] | [b]ook |  TOP↑
[b] 麦酒の家の冒険
[麦酒の家の冒険] / 西澤保彦 / ★5+★ (いつかまた読むかも)

ドライブの途中、4人が迷い込んだ山荘には、1台のベッドと冷蔵庫しかなかった。冷蔵庫には、ヱビスのロング缶と凍ったジョッキ。ベッドと96本のビール、13個のジョッキという不可解な遺留品の謎を酩酊しながら推理するうち、大事件の可能性に思い至るが……。ビール党に捧げる安楽椅子パズル・ミステリ。

ビールだらけの不可解な状況から、論理を武器にもうひとつの別荘の存在や大事件の可能性を推理したりするおはなし。ただ、仮説Aたち(特命リサーチ200Xで真っ先に棄却されるアレ)や最終的に正しいとされた仮説も、あんまり惹きつけられなかったような気もちょこっと。
[2009.03.04 17:20] | [b]ook |  TOP↑
[b] 人格転移の殺人
[人格転移の殺人] / 西澤保彦 / ★5+★★★ (何度も読み返したいかも)

突然の大地震。気がついた時、僕の意識は他人の身体に入っていた……。人格が入れ替わるという怪現象に巻き込まれ、パニック状態の僕達を、何者かが襲う。犯人は密室にいる6人の身体に次々と移り替わる“誰かの人格”なのだが……。奇想天外な着想で新しい地平を切り拓く西澤ミステリの大傑作! 解説・大森望。

人格転移が起きて誰が誰の身体に入ってる状態のときに誰の身体と誰の精神を殺したのか、という部分が読む前は一番期待してたのだけど、あんまりミステリミステリしてなくて割と残念。途中でアクションぽくなったときは著者も開き直ってるのかなとすら。でも、人格転移にまつわるエピソードの部分については個人的には大満足で、読後感もさわやか。氏の作品で推すなら、本作と七回死んだ男かなと思えました。
[2009.03.04 17:21] | [b]ook |  TOP↑
[b] 玩具修理者
[玩具修理者] / 小林泰三 / ★5+★★★ (何度も読み返したいかも)

玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。壊れたものを一旦すべてバラバラにして、一瞬の掛け声とともに。ある日、私は弟を過って死なせてしまう。親に知られぬうちにどうにかしなければ。私は弟を玩具修理者の所へ持って行く…。現実なのか妄想なのか、生きているのか死んでいるのか―その狭間に奇妙な世界を紡ぎ上げ、全選考委員の圧倒的支持を得た第2回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作品。

どのレビューを見ても大概そうなんだけど、この作品で本当にすごいのは表題作ではなくて「酔歩する男」という短編のほう(全体の80%くらいを占めるけど)。酔っ払って何を歩くのかというと、空間ではなく時間。つまり、そういうSFです。

ちなみに、酔歩ってのはランダムウォークの和訳のひとつで、他には乱歩などが候補にあるってのを大学の著名な先生が言うてはりました。せっかくなので、ランダムウォークに関するトリビアでも。1秒ごとに右か左に等確率(50%)で動くようなゲームを1次元ランダムウォークと言います。同じように、東西南北に等確率(25%)で動くようなゲームは2次元ランダムウォークです。東西南北に加えて、上下まで含めれば3次元ランダムウォークになりますね。このようなランダムウォークを考えると、1次元や2次元のランダムウォークなら「いつかはスタート地点に戻ってくる確率」は1ということが知られています。つまり、地球上で酔っ払って歩いてもいつかは必ずおうちに戻ってこれることが数学的に保証されているわけです(戻ってくる時間の期待値は∞ですが…)。それに対し、3次元ランダムウォークでは「いつかはスタート地点に戻ってくる確率」はわずか34%程度であることが知られています。宇宙空間で酔っ払って歩き出したら、永遠におうちに帰れない可能性があるってことですね。なむなむ。
[2009.03.04 17:25] | [b]ook |  TOP↑
プロフィール
  • 書いてる人:テ
  • モラトリアム6年生。
    アジアの青いアレ所属。
    睡眠欲の権化です。
セカ徒歩
  • 更新頻度だけがアイデンティティのブログです。ログ流れはやいよ。
書籍の評価
  • ★5 一度読めば十分
  • ★6 いつか読むかも
  • ★7 また読む予感
  • ★8 何度も読み返したい
  • ★9 推薦したい
  • ★10 神本
★5+★★★★
★5+★★★